第222話

 side勇者


 あれから1週間や1ヶ月と言う節目にどんな称号が来るのか怯えながら過ごす日々がやってきた。だが、6ヶ月が経ち、1年の試合などが終わった。


 記憶から称号という文字が消えかかっていた時だった。


「あー、あーマイクテスト、マイクテスト」


「ん、ん(咳払い)やあ、久しぶりだねー。称号の結果はどうだった?・・・うんうん、そんな喜ばなくてもよかったのに。称号の更新を始めるよー。と言っても更新は終わっているんだけどねー。じゃ、これから多分半年周期で更新していくよー!!」


 学校ということもあり、ざわめいている。授業も終わり放課後だったのだが、部活のため部室に残っているようだ。そして、その称号の話題になっている。俺は1月1日の恐怖が思い出してしまう。パーティーメンバーにも称号は?と聞かれた。


「悪いものはなかったよ。」


 見ていないのにそう答えてしまった。一年との戦いの時に油断をしてしまい。負けてしまった。そのせいで、どんな称号になっているのか見るのが怖い。あんなハンデをつけるんじゃなかったと後悔している。不安とストレスからニキビが増えてくるだろう。そして、歯軋りや貧乏ゆすりもだ。


「あー!!!」


 どうして俺だけがこんな目に遭うんだ!!そう思ってしまう。見ておかないと今後のスキルに影響が出てくるものもある。確認しなければならないのだが、ここでする勇気はない。家に帰ってから見るか・・・。ストレスで暴れるかもしれないし。


 _____


 家に帰ってステータスを開く、1月1日にステータスにも影響があるということを知らず、現実逃避をしていて効果を見ていなかった。それを見る時がきてしまった。その前に新しく獲得した称号のチェックだ。わかりやすく、横にnewとつけられていた。


 そのnewの文字を横にたどる。そこには、舐めプして負けたもの、勇者?、犯罪者予備軍、偽物勇者、一般職以下の技量だ。ここで現実逃避をしていると成長にもつながらない。効果を見ていく必要がある・・・。


 1月1日からあった。勇者(笑)だが、効果は何もなかった。そのことにホッとする。もしここでマイナスな効果があれば精神的にきついだろう。勇者もどきは無くなっていた。おそらく言いたくはないが偽物勇者と統合されてしまったのだろう。次に戦犯だ。おそらく人にフレンドリーファイヤーした時についたものだと思う。薄目にしてみると、最初には、威力増加と書かれていた。よっしゃー!!と喜んだのは束の間、下の文書に目が行く。そこには魔法、アーツのコントロール力低下だ。


 上げてから下げるとはこのことだ。一番の問題は魔王を作りしものだ。作った記憶もなければ、効果も読むことができない。果たして効果は・・・。魔王からのダメージ減少だった。これは強い。母のような存在として考えることができるのか・・・。


 敗北の勇者は、ステータスが1%減少出そうだ。しかも負けが続くとその%がどんどん増加していき、最終的には10%まで低下することになる。飛んだデバフだ。ダンジョンに潜る際に気を付けることが増えてしまった。ユニークに負けたものだ。特に効果はなかった。というかユニークと戦った記憶がない。人なのかモンスターなのか想像がつかないな・・・。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る