第993話
吸収する時間も一瞬だ。ここにどう攻撃を仕掛けるのかが問題だ。体の部分を狙うため、ライトジャベリンを使っていたが片足を上げた太ももに妨害されることで魔法も無効化されていた。そして近寄って来て、回し蹴りやカカト落としなんかも繰り出してくる。その攻撃も避けて、距離を空けた時だ。今度は反対の足を前に突き出し、レーザーを放つ。その後、ちょっとした胞子の吸収が始まっていた時だ。
胞子が吸収されている時に光魔法も吸収される。起きるのは爆発だ。レーザービームを放っていた左足が一瞬にして消え去る。片足を失ったキノコは吹き飛び、地面に倒れ込んだ。さらに鍛えられている足に対して弱々しい体だ。
その筋肉の重さに耐えることができずに潰れて死んでしまったようだ。あっけない最後だ。もっと方法はいろいろあっただろうに・・・。そして、肝心のドロップはあの網タイツとヒールだ。めっちゃいらない。ここではキノコが来るだろうと思っていたが、こうなるとは思ってもいない。
「要ります?」
そう聞いてくる。そんな趣味はない。というかそんな趣味を持っているように見えるのか?
「いらない」
女装願望なんて何もないし、性能は良くても見た目がゴミなら使うつもりもない。性能が良かったなら、売るのを躊躇ってもらってしまうかもしれない。そうなれば、絶対にそういう趣味の人と思われるだろう。そんな理由から鑑定をしなかった。
あのキノコがヒールのレーザービームを使わなければもっと戦闘時間はかかっていただろう。ラッキーだ。時間としてはまだ余裕がある。
「もう1回行く?」
「はい!」
流石にレアボスがここで来てしまった。本来のボスの対応をしてから、レアボスがくるというパターンを経験して欲しかったが、まさか1番最初にレアボス(ユニーク)が来るとは思ってもいなかった。レアボスの経験を積めたのだからそこは良かったところだ。
周回する時にはこの辺りの階層が基準になるのだから、通常時のレベルも知ってもらわないといけない。順番待ちをし、順番が来たのでボス部屋に入る。上の方を見ていたが、あの大きさのウォークマッシュは早々現れません。
「あれが普通のウォークマッシュだよ」
足元にいる小さなそれがこの階層のボスウォークマッシュだ。驚いていたが、落ち着いて魔法で殺していく。近づいて胞子を食らってしまい、くしゃみ地獄になっていてついつい笑ってしまった。睨まれてしまったので、キュアをかけ状態異常を取り除く。逃げ続けているウォークマッシュを殺すことで、その日のダンジョン探索が終わった。
監禁待ちをしている時にスキルレベルの確認をすると光魔法のスキルレベルが10になり、光魔術に昇華することができたようだ。あともう少し上がれば、ヒールビームを自分で行うことができるようになるはずだ。
大体の金額は20万円程度だ。なぜか、ヒールの値段が高くなっているようだ。まあ、ビームはロマンの塊だし高くなるのも頷ける。2万円をもらいその他の金を返す。ボス部屋まで行ったのだから、これよりも下の階層を周回してレベル上げが楽になるだろう。戦闘を楽に経験値を稼ぐならシールドタートルを狩るのが1番だ。
休日中にどの階層を選ぶのか楽しみだな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます