第142話

 あのあとドロップしたのは騎乗のスキルブックだった。もちろん使用した。馬に乗りたいという気持ちが勝ってしまった。馬に乗って猛スピードで駆け回りたい。そして馬に乗ったまま、攻撃をして無双ゲームみたいなことをしたい。そんなことを思った。


 とりあえずは、戦闘のでき方を確認したい。狼は基本群れで戦闘を行っている。それなら多くの仲間がいるのかもしれない・・・。今回はどちらかといえば1対1の戦闘を見たいので、それはまた次に確認しよう。


 ゴブリンを見つけた。とりあえず武器なしを戦ってほしいのでそれ以外の敵は殲滅を始める。今回は効率良く行っていきたいので、バフでスピードを上昇させ、刀に魔力を込め首を切り落として終了だ。そして、灰狼と武器なしの戦闘が始まる。


 まずは殴りかかろうとしているゴブリンに猫パンチならぬ、狼パンチを放つ。胸に当たったそれは、4本の爪傷が走っている。そこからは血がドバドバで溢れ出てきている。一旦距離をあけ、攻撃を見ようとするゴブリンに対し、先ほどよりも早く近づき、喉を噛みちぎった。喉がなくなったなら勝負はもうついたものだ。もしこれで武器持ちに行ったなら、怪我は負うが倒すことはできるだろうな・・・。するとしたら、魔法部隊の護衛かな。


 これで武器持ちと戦う場合は、緩急をつけて突っ込み、まずは腕を噛みちぎり武器を使えない状況にする。その後で殺すといった形になりそうだ。腕に噛み付く時に硬ければ時間がかかるので、その時に攻撃されそうだなという印象だ。


 前線には出せないな・・・。まだ鍛えが足りていないな。引っ掻きで首を落とせるようになれば完璧だが、流石にそこまで期待はできない。そんなことをするよりかは魔法を覚えることを優先させそうだ。必ずこれからは魔法が存在しているので、さっさと魔法を覚えて守る力をつけてもらいたいところだ。


 今さっきのエンチャントでレベルが上がったようだ。範囲攻撃はハリケーンだった。小規模のハリケーンをすることができても大規模のものはできない。しかも地面に出すこともできれば、手を地面として放つこともできる。


 なんでもありになってきたな・・・。もう、大規模戦闘が怖くはないな・・・。一番怖いのは、死ぬことだけど。今死ぬとなると灰狼ぐらいか。残りは召喚獣なので、死ぬことはない。命を背負いたくない。そのため、灰狼は成長するまではこの階層でレベル上げかな。


 フレンドリーファイヤーだけは避けたいな・・・。効果範囲が大きくなると当ててしまいそうで怖い。

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