第944話

 獣化のクールタイムが終わったようだ。結構早いスキルだな・・・。進化したことで手に入れた自分の持っているものと考えれば妥当かな?そのまま殲滅し、氾濫は鎮圧された。辺りは薄暗い。もう夜も近いのだろう。


 氾濫の鎮圧が終われば、しばらくは氾濫はない。ドロップの分配だなー。せっせとオークキングの武器を自身のマジックバッグの中に入れていく破壊神。効果付きなのか、レアな金属鉱石が使われているのか。魔法使いが使っていた杖やオークキングの時に出てきたオークの使っていた武器もマジックバッグの中に入れる。


「あのー俺たちの戦利品は?一応頑張ったんだけど・・・」


 役に立ったか?戦闘時の記憶を呼び起こしても役に立ったとも思えない。役に立ったかどうかは知らないが、最初のゴブリンたちが来た時は役に立っていたか。第2ウェーブのコボルトが来た時から動くことができていなかったと思うのは気のせいだろうか?


「勝手にすればいいんじゃない?君たちが倒したのはあそこにあるよ」


 魔法の余波で吹き飛ばされているゴブリンやコボルトの死体を指差す。働きもしない無能に、成果を渡すなんてしたくない。手に入れることができるのは使っていた武器ぐらいだろう。金属が使われているのだから、買取の値段は高くなるはずだ。知らないけど。


 トロールが使っていた武器は石で作られたものだった。そのため、買取に出してもそう高い値段がつくわけもない。使う奴もいないのだからいらない。トロールの装備も布製のためいらない。こいつから手に入るのは少なそうだな・・・。


 武器や防具の回収が終わった。あとは解体での魔石を取り出す作業か・・・。職業を解体士に変更する。使うことができる部位が手にとるようにわかる。欲しいのは魔石だけだ。他の内臓とかも傷ついているだろう。刀で切り開きその空いた隙間に魔力を流し込み、傷口を無理やり開く。


 魔石の位置は心臓の中だ。心臓付近にあると思っていたが、まさか中とはな・・・。尿路結石みたいな感じなのだろう。そう考えると汚いなこれ。その尿路結石(魔石)は黒オークになれば心臓の外に飛び出していた。魔石が大きすぎると心臓が耐えきれないのだろう。


 腹を貫いた方の黒オークの心臓はなくなっていた。ライトボールで照らしてみると、少し反射していたのであれが残骸なのだろう。魔法使いのオークは風や火属性の魔石だ。黒オークの方はどちらかというと戦闘職寄りだったため無色だった。


 オークキングの方の魔石をチラッと見たが大きかったなー。両手よりも大きいぐらいだ。あの大きさとか初めて見たな・・・。それにしても使うことのできる素材が少ない。ドロップに変わることがないため、スキルブックが落ちる可能性が0だ。そう考えるとやり損のように感じる。


 まあ、次からは関係がなければ参加しないようにするか・・・

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