第744話
チーフは弓が一瞬の開いた隙を利用して攻撃をしてこないように、近接戦闘をしているオークに張り付く形で戦っている。その分後衛が矢を撃つ必要がなくなり、カースウエポンの破壊に集中することができるようになる。10段階評価で言うところの7だ。良い寄りの悪い感じだ。評価が1の場合は死んでいる。
後衛を守っているオークの役割はまだ来ていないようだ。何かを待っている。矢によって破壊されたカースウエポンを補充するために一旦下がり召喚をする。それと同時に魔法使いも召喚した。もう、今日の魔力は使い切るつもりなのだろう。
カースウエポンは武器だけでなく、盾も召喚されていた。まずは盾を先行させ、距離を縮める。HPと防御力が高いため、弓矢の攻撃を受けても死んでしまうことはない。そこに魔法が飛ばされる。当たり煙が立つ。その煙が晴れた。魔法が放たれたところに立っていたのは後衛の守護に行っていたオークだ。どうやら、攻撃への防御をするのが目的だけではなかったようだ。
いざという時の肉壁も兼ねていたのだ。ゴブリンは元から魔力が少ない。チーフが多く召喚魔法を使っていたとも思えないため、魔法を使うゴブリンのレベルが低いままだろう。魔力はもう半分を切ったと考えている。
多くの魔法にあたったが数を重視したため、威力は弱かった。そのオークは魔法に当たったにも関わらず、まだ生き残っていたのだがカースウエポンの1体がそのオークを殺した。その間に後衛の弓によって盾のカースウエポンが破壊された。だが、それだけでは終わらない。
壊された盾のカースウエポンから短剣が飛び出し、1体の弓に突き刺さる。しかも、エンチャント付きだ。同時に召喚した時につけていたのだろう。もう1体のオークが、その弓に刺さった短剣を弓で狙っている。もう終わりだな。カースウエポンが標的を切り替え、そいつを剣山に変える。
あのオークたちは盾の近くに片手剣があったことから、リーダー個体のような盾と片手剣がセットのものだと勘違いしていたようだ。短剣を処理できた時には周りはカースウエポンに囲まれている。もう終わりだ。体全身にカースウエポンが突き刺さり行き倒れた。
残りは近接戦闘をしている、オークリーダーを含むオーク2体だけとなった。カースウエポンと魔力の半分が残っている魔法使いでどう戦うのだろうか。もう、後衛のことを気にしなくて良くなったチーフが有利だな。人数の多さも逆転している。その有利を最大限に活用してもらいたいところだ。
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