第934話
そのやってきたコボルトを対処しようと動く人がいる。だが、死を目の当たりにし、次は自分の番かもしれない。そう考えた学生が、その人ごと魔法を放つ。その魔法ごと道連れにされた人は敵陣の中央あたりに飛ばされた。そして、コボルトの集団リンチだ。
最初は耐えていたようだが、数に押され仲間と合流する前に死んでしまう。そうなるよね・・・。真の敵は味方だ。恐怖に支配されたことがなく、逃げたことがない。そんな成功体験ばかりを得た人だ。あとは強さを見誤った人だろう。普通に見ていればゴブリンやコボルトの集団だ。
戦闘時で、リーダー個体と言われると大きいやつを指差してしまう。そんな強さをチェックできないような人たちだ。ここにいるのは皆リーダー個体だ。比べるような比較対象もいない。そのため、全員が通常個体だと判断し戦闘に参加してきたものも足を引っ張る。
その恐怖は別の人も混乱に陥れる原因になる。前衛を失ったことで、今起きていることが現実だと受け入れることができたのは、前衛を失ったパーティーだ。運が良くも悪くも、前衛を失ったことで気がつかされる。慌てて後ろに下がりながら、敵前逃亡を図ろうとしているようだ。
まあ、この場合は逃げるか安全圏にいるのが正解だ。その判断は正しいものだ。コボルトがやってきたことは次こそオークになるはず?と思いきや、魔法使いのみで編成されたゴブリンやコボルトがやってくる。こっちの方はまだ目が赤くなっていないことから、狂気に支配されていないようだ。
女王蜂と戦った時もそうだが、魔物は魔法を使えるものを大切にする風潮があるようだ。と言ってもまだレベルが低い個体がここに派遣されているようだ。使ってくる魔法もボール系やバレット系だ。狙っているのは後衛にいるものたちだ。
もちろん、俺の方にも飛んでくるため、頑張ってスナイパーライフルを撃っているが数が多すぎる。ゴキブリやネズミ算のように無限に増えているのではないか?と思えるぐらいの量だ。殺しても殺してもキリがない。
念の為の魔力回復量が増える杖を装備する。逃げることができるようにだ。もし、このまま死んでしまうようなら、俺は逃げることになりそうだ。というか既に何人か逃げているようだ。死体も魔物の濁流に飲まれ見ることができない。
ダンジョンの中で殺されているのか、食べられているのか。知りたくもないな。まだ、後衛は機能しているようで、飛ばされてくる弱目の魔法を潰していく。魔力切れをする人が少しづつ現れ出す。魔力切れをする人が出ると、邪魔になるため仲間が外に運び出す。
戦闘する人が減るのだからだんだん前線がキツくなるのは当然だ。そして、ついに本命だろうと思われる存在が姿を表す。オークだ。鎧を見に纏い、金属製の武器を持つ。このダンジョンにゴーレムや鍛治をする奴がいるのは確実だ。
1つの爆弾が爆発する。それと同時に俺に経験値が入ってきたようだ。経験値の確認をする暇がないかもしれないという理由でステータスは開いたままにしている。だが、モンスターを殺していないにも関わらず爆発でモンスターが死ぬとレベルアップをした。
どうやら、生産職の場合は、作ったもので魔物が殺されると経験値が入ってくるようだ。生産時とこの経験値が入ってくると考えると、こっちの方が経験値的に行為率がいいのでは?まあ、その辺りの検証は終わってからだ。
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