第1065話

 戦闘に参加するのも違う。待つか。魔法でオークナイトに止めを刺し、決着がつく。


「お疲れさーん。分断作戦はどうだった?」

「楽でいいですね!」


 個人プレーができるのなら、その土俵に引きずり込めばいいだけだ。普通のパーティーであれば、判断が鈍らないように個人の役割を決めている。できる役割が決まっており、少なければの話だ。最初に決めていたタンクとかの話はそういった集団戦になれば使う予定だったものだ。


 魔法を撃つときは一緒に魔法を撃ち、近接戦闘をする時には一緒に戦う。そんな作戦だ。精度次第では、後衛が何もできない時が生まれてしまう。後衛も近接戦闘をできるようになるのが時代だと思うけどなー。世間ではそうはなはらないようだ。


 世間一般的には、女は後衛、男が前衛という形を取らせようとしてる。体に傷がついてしまったら大変だという他人の意見だ。それを世論だと勘違いした愚か者が、日本ではこの考えが主流だと大声で叫ぶ。思考の放棄だ。それに反逆してこそ、新たなものが生まれるというのに・・・。王子とか悪魔とかは稀有(珍しい)な存在だ。最終的にどこかのグループに属することになるだろう。


 俺がどうなるのかは適当に決まっていけばいい。関わりを持った人がいいところにいければそれだけでいい。


「時間的にここまでかな?」

「はい!」


 暗くなる前に早めに返しておきたいかな?何か危ないことがあった時に責任を取ることができない。


「そういえば1月はいつから始める?」

「テストも近くなるので、2週目の土日でお願いします!」

「了解」


 特に用事も入っていないはずだ。うん、入ってないな。スマホのカレンダーにそのことをメモした。土日が終わり平日となった。世間では仕事で忙しい人もいると思うが、大学生にとっては休みの時期だ。次の日がちょうどクリスマスになる。


 今日は書類を書きながら、その日を過ごした。そして、クリスマスイベント当日限定のイベントがやってくる。久しぶりのワクワク感にすぐに目が覚めてしまい。早速ダンジョンに移動する。ネタバレは踏みたくないため、スマホは何も見ていない。


 もう、イベントダンジョンに行っている人もいるようだ。人が少なくなる深夜帯に入った人だろう。同じような考えをしている人がこのダンジョン内に溢れているようだ。


 1階層はいつも通りイルミネーションだ。2階層に行こうとしている男女のペアを見つけたので、その後ろを隠密をかけながら追跡する。1分ほど前に進んだ時だった。男の顔付近で爆発が起き、頭からカツラが落下する。


 若そうに見えたんだけどな・・・。若ハゲか、大変だな。女性は悲鳴をあげて何処かに行ってしまった。そのカツラを拾い直し、頭の上に乗せる。そして、髪の毛を引っ張るとなんと引っ付いているようだ。リア充を滅ぼすアイテムの1つ。通称カツラ爆弾と名付けておこう。


 生えている髪を矯正的にカツラにさせるアイテムだろう。その爆風によってカツラになったものは飛ばされ、確実に禿頭を晒すことになる。そのカツラを頭の上に戻すと定着するみたいな感じだろう。いわゆるドッキリアイテムだ。


 もみあげや襟足は残し、それ以外の髪がカツラになる。かっぱハゲと呼ばれるものだな。相手をかっぱハゲにしてから、そのカツラになった髪を自分のところに乗せたらどうなるのだろうか?その禿げた人のものになって、かっぱハゲの呪いが移るのだろうか?


 そうなれば若者の一生のトラウマものだな。流石にその人にしか使うことができないだろう。今回は本当にリア充を滅ぼすためのイベントのように感じる。これだとバレンタインとかも期待できるな。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る