第416話

 10月も2週目となった。もう半分も終わりか・・・。ハロウィンの広告もどんどん出始めており、今回の渋谷は参加するのかどうするのかという話が出ている。気が早いなー。俺はもちろんノーだ。家でのんびり過ごすことを決めている。


 というか、平日なのによく行こうとするな・・・。その週末にでも変更すればいいのに。元気な人が多いようだ。外国人排除運動は活発になっている。工事の方は土台が終わり、あとは上に乗せていくだけだ。だが、反発もあったようだ。魔法を放ってきたり、斬撃を飛ばしてきたりだ。


 工事現場で働いている人はダンジョンに潜ったことがある人もいるが、大半は潜ったことがない人が多い。だが、ボディーガードとして市が雇った人により撃退された。その人次第で、対処は決めていいとのことになっている。


 治外法権であり、正当防衛だ。人間を相手にするというのに、普通の人がこんな仕事をするわけがない。外国人に恨みを持つものや、単純に人を切ってみたい。死体といったサンプルが欲しい、実験台にしたい。


 そんな人がこぞって参加をしている。その結果、獲物の取り合いだ。攻撃をしてきたものにはバインドをどこかの魔法使いが行い。その辺りを殲滅する。そんな作業が行われた。


 その動物は、最初はバインドをしたパーティーが獲得権を主張した。だが、ここでは順番にしないか。と意見を出し、そのカリスマ性で魅了し仲間を増やしていった。


 そのカリスマを持つもの、そう勇者君だ。親の教育で、人間の闇の部分をあまり見せなかったせいだ。少しでも見ることができていれば、それが本当に悪意があって行われたのか、反撃をしたのかがわかると判断されたようだ。


 決して人間を切りたいとかそんなマッドな思考には陥っていない。ただ、周りとは浮いているなと思っているぐらいだ。


 そこにどんどんと外国人が収容されていく。まるで人間のゴミ箱のようだ。壁が作られると感じるだろう。自分がどれだけいい条件で住んでいたのかということを。そして恐怖するがいい。外に出ると死ぬという恐怖を。


 今のうちに脱出しようと夜に出ていこうとしているものがいた。だが、それはテイマーが使役しているフクロウによって知らされ、袋叩きにあった。そのことがきっかけで、テイマーの地位と求められる役職は増えたことに今は誰も気がついていない。


 それが公になるのは、この工事が終わってからのことだった。

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