第301話
2体で同時攻撃だ。連携はしてくるようだ。いつも連携をさせず、1体ずつ殺しているので、このことは知らなかった。目の前から攻撃を仕掛けてくるやつと、その背後から移動をし、攻撃を仕掛けてくるやつだ。背後からの移動。これが一番厄介だ。
目の前の敵に集中することで、その後ろにいるコボルトの存在が朧やかになる。簡単に言えば意識から外れるといった感じだ。そんなのは気配察知によってバレているわけで、効果はない。よく考えられた連携だ。前からの攻撃を受け止めることで、武器を持つ利き手が使えなくなる。
そこを追加で攻撃するような戦い方だ。何も対処できなければ、攻撃が当たる。第一にこいつが受け止められるのかというのが疑問だ。短剣と刀であれば、切れ味もレアリティーも上な刀の方が強いだろうに・・・。(レアリティーは効果付きのことを指しております。)
それなら、切り伏せる。並列思考早く欲しいな・・・。刀のことを考えてると、魔法のこと忘れそうだし。そこは慣れか。刀を振り下ろす。魔力を通して切れ味をあげ、突き攻撃をしてこようとしているコボルトの腕ごと胴体を狙う。半身で左に避け、振り下ろす。
短剣を振り払うように防御をしてくる。だが、これはフェイントだ。無理な体勢での攻撃だ。もう体のバランスがおかしく、前かがみになっているのに手だけで攻撃をしてきた。その手ごと胴体をきる。指を切り落とし、握っている短剣を拾う。切られたコボルトの体の中から内臓と思われる部分が見え、そこにさっき拾った短剣を投げ込む。
連携が崩れたことにより、あの死角から移動をするつもりだったコボルトの動きは止まっている。予定外のことは行動できないタイプか。アドリブとかできない人みたいだな。
止まっているそいつにむかって、ウォーターチェーンを飛ばす。首元に絡まり、それが段々と上に上がり、口や鼻を塞ぎ出す。ゴボゴボと空気が外に出ていき、その水が口の中に入っていく。
だが、奥には行くことがなく口元で止まり、動くことはない。焦っているのか冷や汗も出てきている。そして、死んだ。
さて、残った片手剣と分身体で戦ってもらおうか・・・。あの片手剣は、魔法使いのコボルトを後ろの木に立てかけている。復帰されてもめんどくさい。出ていたはずの鼻血も止んでいるので少しは魔力が回復したのだろう。
「ファイヤーチェーン」
その立てかけている木と体を固定するように魔法を放つ。体が燃え死ぬ。向こうも怒りマックスだろう。これで本気の戦闘をしてもらうか。
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