第1047話
それが終わった後に俺が戦ってもいいだろうか?相性確認とか、その辺りのことをしておきたい。使う武器はもちろんパイルバンカーだ。
「後で戦っていい?」
「?いいですよ」
許可も出たところだ。先に王子の方を終わらせるために動き出す。数分歩き、カンガルーを見つけ出す。それと同時に王子が走り出した。成長しているな・・・盾にダークエンチャントを付与する。ライトエンチャントは、光属性がつくだけで特に効果はアンデット特化になるくらいで他はない。
だがダークエンチャントにすることで、攻撃を当てると阻害することができる。盾にダークエンチャントを、剣にライトエンチャントを付与している。2属性同時か・・・。カンガルーのパンチを盾で受け止めた。受け止めた瞬間、その拳が少しだけ黒ずむ。闇魔法の効果が発動しているようだ。
ダメージ判定は殴った時の盾の反動か?暗黒騎士モードで体全体にダークエンチャントをすると、全身カウンター人間になるな・・・。カウンターをするなら基本武器を持っていない人間に対して行うか。武器持ちに対抗するのなら、ライトエンチャントで攻撃を避けてからのカウンターの方が良さそうだな。
今回のカンガルーは武器持ちではなかったから、ダークエンチャントを選択したのだろう。レベル上げの期間では授業中や授業外で、闇魔法のスキルレベル上げをしていたのだろうな・・・。闇魔法の浸食が腕を覆い尽くす。
これで腕の曲げ伸ばしがなくなった。盾で受け止めその空いている顔に魔法を撃ち込み、決着がつく。特に問題はなさそうだな・・・。王子が戦っている間にパイルバンカーの準備ができた。
「え、なんですこれ?」
「パイルバンカー」
「それは知ってますけど・・・。実在していたんだ。買ったんですか?」
「いや作ったよ?」
目をまん丸にして驚かせている。スライム金属と魔石で作ったものだ。素材さえあれば誰でも簡単に作ることができる。
「性能チェックだよ」
カンガルーを見つけたのでそっちの方に走っていく。カンガルーも気がついていたので俺の方に向かってくる。その拳とパイルバンカーの先端がぶつかる。グローブのようなもので守られているため、攻撃がカンガルーの生身に届くことはない。
そんな時に発動させるのはパイルバンカーだ。さすが29階層といったところだ。普通にゴーレムよりも硬い。吹き飛ばしはしたものの、死ぬまでは行かなかった。だが、バランスを崩したのと、深く刺さった杭を引き抜こうとしている。完全に動きが止まった。
刺さった杭が揺れ始め、今にも抜けそうなところだ。分身体を召喚し持っていた杭を捨てる。分身体には、杭を持つ係をやらせた。左手で杭を持ち上げ、カンガルーの方に投げつける。パイルバンカーのギアを2つ前に切り替えた。握り拳から手のひらに変わり、カンガルーがその杭を受け止める。パイルバンカーで飛ばすよりも、自分で投げたほうが威力が高いな・・・。
刺さることを想定していたが、受け止めるとは・・・。受け止めているところに到着した。そのパールバンカーにその杭を取り込ませ、すぐに発射させる。少し穴を大きくしていた影響だろう。あまり回転はしなかった。急激に加速したことにより、パイルバンカーが腹を貫き奥の地面に刺さる。防御力が高いところは拳くらいだな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます