第972話

 金曜のダンジョン探索の授業だ。と言ってもすることも何もない。だが、ここに来て新しい情報が開示された。それは、ダンジョンのマッピングだ。マッピングをし、それを販売することもできる世の中だ。と言っても善意を持った人がネットで開示するため、それを買う人は少ない。


 だが、これを授業で行うようだ。テストのようなものと言っていたが、プラスして一番出来が良かった人は金が出るらしいと付け加える。階層も指定されており、11階層より上のものだ。まだ10階層まで行ったことがないため、そこに何があるのかもわからない。


 と思っていたがネタバレされてしまった。次の階層は迷路のようだ。そうなればマッピンングも必要になるよね・・・。100%正しくとは無理だろうが、次の階層に行くまでの道を作るくらいならできるだろう。授業で使うようのものだろう。


 授業で来年からはこのマッピングをする科目が追加されるようだ。どうやら、盗賊とかの役割に入っているようだ。そのため、これを行う人が必要になってくるらしい。もちろん罠はあるが殺しにくるほど凶悪なものではないようだ。そこは安心することができるな。


 マッピングって何を基準にして行えばいいのだろうか?普通に角やT字路、十字路とかを書いていってそこにどんなものがあったのかを書いていけばいいのだろうか?よくわからない。マッピングが必要なのは百も承知だ。適当に作って持っていけば、どこがダメなのかがわかるだろう。


 とのことで、ダンジョンの10階層にやってきた。そして、11階層に行く。そこには広大な迷路が存在している。中心にあるのは、次の階層に行くための扉だろう。トラップもあることから、マジで初心者の講習をするためのダンジョンのように思える。そう考えると誰かが意図して起こしたようにしか思うことができない。


 ダンジョンに入るまでに買っていたバインダーに紙を挟む。とりあえず、真っ直ぐかな?十字路になっているところを見つけると、真っ直ぐ線を引いたところに横線を引く。これで十字路を表す。この階層は落とし穴と先端が吸盤になっている矢だ。トラップとしても大体が地面に設置しているものなため、警戒していればすぐにわかるだろう。


 めんどくさいので、足元の石を蹴りながら進んでいく。何か足元にトラップがあれば反応するはずだ。スライムで埋めて罠を発動させてもよさそうだな。けど動きが遅いからなしだ。真っ直ぐ進んでみたが、十字路になっているのと、どこにいるのかの基準がわかるようなものがない。


 傷をつけてもダンジョンに機能によって回復するため、印(しるし)をつけることも不可能だ。大体で、どのあたりにいるのかの判断基準は、あの中心にある次の階層に行くための門だ。あの向いている角度で大体の位置を把握しないといけない。閉じているのが裏側で入ってきた方と覚えていれば問題ないはずだ。


 ダンジョンってこんな迷宮を想像していた。こんなの、こんなのに出会いたかった!感激だ。探索って感じがすごくする。

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