第971話

 そして、水曜日になる。2勝1敗の結果だった。特に召喚獣のことを聞かれることがなかったため、ほっとする。


 木曜日の魔法の授業になった。風魔法が賢者に行ったことで最初に予定をしていた闇魔法のレベル上げを始める。いまは、闇魔法レベル7だ。一応ジャベリンまでは打つことができるようになっている。


 そこまではいいが、なんでここに降りてきたのだろう?的な表情で周りの人が俺を見てくる。別に良くない?悪いことでもなさそうだし。場所は広く空いているため、別に使っても問題ないだろう。広々としたレベルを下げた空間に魔法を撃っていると、魔法に魔法が当てられ壊されてしまった。


「珍しいね。ちょっかいかけてくるの」

「嫌味か?」


「去年ぶりくらいかな?」

「おーいスルーするな」


「で?どうしたのこんなところに来て」

「知り合いを見つけたのだから、ここに来ても別にいいだろ?」


 悪魔パーティーに属する魔法使い通称姉御、普通に気のいい女性かと思いきや、元ヤンでしたこんちくしょう。まじめ系の元ヤンということが判明していた。


「姉御って言うなよ・・・。噂の話を聞こうと思ってな」

 おっと口に出ていたみたいだ。


「噂なんて何もそんなことをしていないから大丈夫だよ」


「噂の内容は、下を締めたことだったな。」

「そんな言葉遣いをしているから、元ヤンってバレるんだよ・・・」


「人違いならいいや。あそうだ。あいつも気にしていたぞ。」

「あいつって?」

「アタシらのパーティの遠距離担当」


「あー、そういえば銃の授業に分けられてからあっていなかったか。」

「久しぶりにあったのだから、あれするか?」


 あれとは前に一緒に授業を受けていた時に魔法で潰し合うことをしていたものだ。普通に魔法を撃つよりも経験値の効率がいいため、姉御はこっちの方が気に入っているみたいだ。たまに他の人とすることもあるが圧倒的な強さを誇っている。


「えーやだ」

「負けるのが怖いから?」

「何回言ってもその挑発には乗らないって・・・。今は闇魔法のスキルレベルを上げたいからかな?新しく魔法をとり始めたりとかは?スキルレベル上げも飽きてきたでしょ?」


「最近か?光魔法か?今スキルレベルが3だけど、とり始めたうちに入るのか?水魔法は、最近新しい方法で使っているから楽しいぞ。」


 水魔法で鳥の形を作り出し、それを生き物のように羽ばたかせながら空を飛行させている。


「へー、確かに楽しそうだね」


 攻撃としては使えそうにないが、楽しむ分には問題はないだろう。楽しみながらスキルレベルを上げるのが1番だからな。


「俺も光魔法のレベルが低いからそっちを上げることにするよ」


 光魔法のスキルレベルは3のままだ。使っていれば上がるのだが、使う機会が少ない。そのため、あまり使わなくていいと考えてしまう。ちょうどいいチャンスだ。


 この日だけで、光魔法のスキルレベルはどちらも6まで上昇した。

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