第1222話
槍を飛ばしたタイミングで左右に槍を1本ずつ散らし、地面に付近に寄せていた。魔法も発動させずにその場に寝かしていたのだった。そして、騎士により浮遊する槍が吹き飛ばされた時だ。その地面に横たわっていた槍が動き出す。間一髪というところか、たまたま視界の片隅に入ったためだろう。
槍の存在に気がついたのだった。その2本の槍が狙っていたのは太ももだ。だが、気がついた騎士がスライディングすることで槍を避ける。そのタイミングで着色された赤いクナイが顔めがけて投げられた。クナイは槍よりも軽く小さいため、スピードは槍よりも出ている。投げられた直後の騎士はスライディングをしていた。そして警戒度は、他に飛ばされる槍だ。そのため、クナイが飛ばされたことへの反応が遅れる。
スライディングが終わり婆娑羅の方を見た瞬間、そのクナイを手の甲で弾き飛ばしたのだった。顔に当たるギリギリだ。一瞬の反射で視界の異物として目立つクナイを見つけ、弾いたのだった。
カンカンッと金属同士が当たる音がなる。太ももにクナイが当たっていたのだった。ここで婆娑羅の誤算が入る。婆娑羅はこのタイミングで勝利を確信していた。投げたくないは鎧を貫き、太ももに当たる。そして動けなくなるところを刺せばいいと思っていたのだ。
だが、騎士の鎧は頑丈でクナイだけでは、穴を開けることはできない。これが槍とかであれば鎧に穴を開け、中に籠っている肉体に傷を与えられていただろう。その勝ちを確信したタイミングである程度の集中が切れる。この時に飛んでいた槍の速度が数段落ちた。
騎士が加速する。スライディングで落ちたスピードを取り戻すようにして、歩幅を大きく歩く。加速していくごとに歩幅は小さく、足の回転は速くなる。婆娑羅の腕に、魔力がこもり属性が付与される。槍が地面に突き刺さることで格子状の穴が空いた壁になる。騎士の殴りはその穴を通すことができない。その殴られた槍が婆娑羅の方に膨らむが貫通することはない。
婆娑羅の腕は細く、その穴に腕を通すことができたのだった。雷属性が付与された婆娑羅の殴りが騎士の腹に入る。これが奥の手だろう。ただのエンチャントだけではない。体の表面から、ピリピリと電流が溢れ出ている。それにより攻撃速度が上がったのだった。
腕にバフとエンチャントを同時にする方法か・・・。俺もやろうと思えばいけるな。後ろを飛んでいた槍や手刀によって飛ばされた槍が合流し、騎士の周囲の全方位を囲う。婆娑羅のラッシュが始まったのだった。騎士も目で追うことができるが、こちらから攻撃を仕掛けることができない。さらに残っている数本の槍が上からいつでも攻撃を狙うことができるように構えている。
詰みだな。騎士に遠距離攻撃の手段がないからこそできる方法だ。と、まだ続けるようだ。あと数秒で止めに入ろうとしていた。と言っても互いにまだ無傷だ。騎士は鎧により攻撃が内部に届いていないため無傷、対する婆娑羅は攻撃が来ていないためだ。騎士は殴って破壊するのを諦めたようだ。その空いている穴に指を入れ、内側に倒した。婆娑羅が槍を放った。その傾いた槍に蹴りを入れることで、囲っている檻を抜け出す。その婆娑羅が放った槍は、騎士が蹴り飛ばした槍に当たり飛んでいく。さあ、檻から出た猛獣とどう戦う?
婆娑羅と騎士の距離はあまりにも近すぎた。片方は槍を経験し格闘家にいったもの、もう片方は純粋な格闘家だ。騎士は真っ先に殴ることを選択した。対する婆娑羅は下がりつつ槍を持って戦おうと判断したのだった。
だが、騎士の殴る速度の方がはやい。犠牲になってもいい左腕で殴りを受け止めつつ、後ろに飛ぶことで威力を流そうとしていたのだった。だが、殴る直前に騎士は発勁に切り替える。受け止めるはずだった腕は押すための安定した面に変わり、威力を逃すために飛んだその行動は発勁の直撃を受け止めるものとなる。
騎士の発勁が直撃し、リングの壁まで吹き飛ばされた。
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