第1011話

 確認していた36階層に移動をする。ほとんど変わりないように思える。同じマップだと考えていていいだろう。まずはギャングからだ。少し大きめの建物の中を少しだけ見る。ボロボロにはなっているが、ほとんど変わっていないだろう。


 目の前にある家の中に入り、隠し通路の扉を持ち上げ中に入る。しばらく放置されていたため、埃は溜まっている。他に来た人が誰もいないのだろう。トラップ感知が反応している。トラップが仕掛けられているようだ。


 あの時に離れるのを待ってからくるのではなくてよかった。もし、あの時に行っているとトラップの解除で時間がかかっていたはずだ。引っかかるか、めんどくさくなって破壊するかで無駄足になっていた可能性が高い。


 もう、トラップに引っかかってくるのはアンデットだ。生きている人間が来るわけがない。トラップは矢が飛んでくるタイプのものだ。壁に穴が開いており、そこの先端に矢が見えている。石を投げトラップを作動させようとした。そして、その先にあったワイヤーで石が切れる。2段階式のトラップだ。危な・・・。


 夜目のスキルかライトボールがあれば、このトラップがあるのがわかる。だが、その罠だけに囚われていると次に待ち構えているワイヤーで足が切断されるという感じだろう。大量の兵士が流れ入ってくる時や、急いでいる時なんかは効果的だ。


 いくつか石を投げたが、特に矢が飛ばされることはなかった。矢のトラップすらフェイクだ。一本道というのが余計にタチが悪いな・・・。石を蹴りながら、進んでいく。たまに発動する矢のトラップや腰あたりにあるワイヤーを切りながら進む。


 足音が聞こえる。シールドを使い天井に張り付く。アンデットがここにもいたようだ。宝がある部屋は近いだろう。ここからはトラップの質が上がってくる。棘がついた天井が落ちてくるものや、尖った柱が飛び出してくるものだ。


 アンデットもあるところまでいくと、元いた場所に戻っていく。その後ろを歩いているとトラップに引っかからないことから、この地下に住んでいた住人だろう。生前の記憶から、どこにトラップが設置されているのかを把握しているようだ。とりあえず、曲がり道などを放置してまっすぐ進んでいる。


 最後の扉が頑丈になっているところにたどり着く。そこにいるのは、ゴツゴツとした鎧を着ている体の大きなアンデットだ。地上のようなスケルトンではなく、地下はゾンビのモンスターだ。その手に持っている武器は盾と短剣だ。部屋は広いが天井が引くため、小回りの効く武器を装備しているようだ。


 その壁際にハルバートが置かれていることから、あれが本来の武器なのだろう。とりあえず宝ものを探すか。物置や宝箱のところはあるはずだ。とりあえず、そこを探してから来週にボス部屋にやってくることにするか。


 マップを埋めていると、不自然に空間が空いているところがある。何もないはずなのに、そこを避けるように四角で囲まれている場所がある。そんな感じの部屋には、毎回扉がついていたがここには扉がついていない。隠し扉のような感じか?


 出っぱっているところを押してみたが、飛んでくるのは槍ばかりだ。道の中心と壁際に1本ずつ土魔法で柱を作り出し、天井と床を結び支えにする。魔法を打ち込む。壁が削がれただけで、土の壁がまだ続く。ここじゃなかったか?全方位をしてからん確認だな。それが終わってから確認すればいいか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る