第815話
遠距離武器の授業も、紙を提出するだけで終わった。絶望している人の紙を横から覗き込むと真っ白だったことから全弾外していたのだろう。かわいそう。そして、テストが終わった頃だった。一件のメールが届いているのに気がつく。宛名は大学からだ。
その内容は海外ボランティアという名目の徴兵令だった。しかも単位もついてくるというおまけ付きだ。単位が足りないとなれば行けばいいが、単位なんて余裕なためわざわざ死地に行く必要もない。どうやら今回早まったのはこれが理由だろう。
早めにボランティアの募集として紙が来ており、それを言うために授業時間を早めたのだろう。時間の無駄だ。
そして金曜日のダンジョンへの授業は、銃ゴブリンにリボルバーを持たせて戦闘に向かわせた。反動が大きい分、威力は保証されている武器だ。いつものように連射をしようものなら、腕を痛めることは確実だ。最悪の場合は腕が持って行かれて、自傷することぐらいだろう。
今回の目標は、そのリボルバーを使って精度を上げる練習だ。もう少し、頭や体を狙うようにしてもらいたい。元弓使いの方もそうだ。弾数が多いため、ヘイトは元魔法使いの方に向いている。そこを撃つことで今までは殺している。
今は弾数は違うが連射速度には限りがある。となれば今度はヘイトが分散するため、攻撃対象に選ばれる可能性が上がる。元弓使いの課題は狙うまでの速度を上げることだ。スナイパーライフルを持つ時のサブ武器をどうするか悩んでいるが、今のところ使い慣れている武器の方がいいと考えている。
そのため、ピストルを渡すつもりだ。リボルバーにするか自動拳銃にするかは決まっていない。威力が高いのはリボルバーなのだから命中率が高ければリボルバーだと考えている。
元魔法使いの方の課題は命中率を上げることだ。今までであれば連射をし、そのうちの何発かが当たればいい。そんな戦い方だ。だがその放つ時が適当すぎることがダメだ。魔法を使っているときの弊害だ。魔法が大きく、適当に撃っていれば当たってしまう。
ゴブリンが狩ることのできる魔物となればその強さは分かりきっている。それが原因で顕著になってしまうのも仕方がない。その癖を消すためのトレーニングが必要だ。頭を狙えとは言わないが、命中率を上げろ。これが元魔法使いに科された課題だ。
リボルバーを渡し、数発試し撃ちをした後にゴブリンとの実践訓練だ。やってしまったな・・・。リボルバーを連射してしまったがために、暴走をし自身の顔に切り傷ができている。慌てすぎだ。まあ、顔面直撃で即死しなかった分だけまだマシだ。
かすり傷のためあまり気にしていないようだ。連射はせずに1発ずつ構え直してから撃つように変わった。元弓の方はそれが基本なため、命中率は高いまま変わらない。
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