第23話

 戦いのシュミレーションをしているとあっという間に時間が過ぎ去り土曜日がきた。1週間たったということはスキルの複製もやり直しだ。変わらず、土魔法使いを入れている。小さな突起ぐらいだと、詠唱なしで作ることができるぐらい成長している。




 今回土魔法の理由は、足を遅くできるかもしれないという点だ。もしバレてしまったら、一直線上に詰めてくるらしい、それなら足元に突起を設置することで、それにつまずいてこけることもあれば、それを踏み抜いて足を痛めてくれるかもしれない。それが狙いだ。




 方法が小賢しいとかずるいとか思ったか?これが一番安全だと考えた。一番いいのは暗殺になるのだが、匂いでバレるようだ。入った途端、殺気のようなピリッとした空気が肌に当たる。あたかも入ってきていることはわかっているぞと言わんばかりの雰囲気だ。




 緊張してきた。コボルトの見た目は、二足歩行の犬に似ているものだ。そのため、毛皮が落ちる。もちろん魔石もだ。その毛皮は肌ざわりは犬に近いようだ。どちらかというとゴワゴワしている方に近いらしい。だが、手入れをすることで高級なものに負けず劣らずの性能をしているようだ。そのため、動物を飼うことができない人にとって毛皮のような扱いではなく、撫でる用で持っているという人もいる。そんな、中毒的なものにはなりたくはない。




 さて、いつも通りスキルが発動している。一旦緊張をしたのでゴブリンを狩りに行く。やはりバレずに狩ることができるようだ。これが近づいた瞬間に襲ってくると考えるとゾッとする。これだから、動物系は苦手だ。




 さて、そんなコボルトと向かい合う。風下にいるため、匂いはそいつの方に行かないようだ。だが、獣だ。戦っている最中に血が必ず出る。獣は血の匂いに敏感だ。




 何が起こるのかというと連戦の開始だ。連戦と言っても3体連続とかそんな感じだ。近くにいるものしか向かってこない。だが、血の匂いに集中しているとバレることが減る。暗殺し放題だ。それなら体に血をつけない戦い方をしなければならず、難しい技能だ。




 足音のないダッシュで急速に近づく。やはり匂いでバレてしまっているのかこちらに振り返ってきた。だが、俺が近づくのが早く、心臓の前に足を刺した。


 やはりコボルトの一番の注意するところは足の速さだ。足を怪我させることでその力を十分に発揮できないようにする必要がある。そのため、太ももに短剣を突き立てる。そして、引き抜くと同時に蹴り飛ばした。




 近くの木にそのままぶつかった。勢い良くぶつかったため、ぐったりと倒れている。おそらく気絶していると思う。そのまま近づき、仰向けになって倒れているコボルトの心臓に短剣を突き立てた。だが、片手でつき刺したのだが、心臓を守る骨が硬すぎて片手では刺しきれなかった。




 この階層のコボルトには仲間意識がない。そのため吠えて仲間を呼ぶという行動を起こさない。深くまでいくと吠えてくるようだが、今回は問題なく戦うことができそうだ。さらに血の匂いを嗅ぎ近づいてくるものに対してトラップとして、土のまきびしを置いている。




 くることができても、足は怪我をしていて全力を出すことができないだろう。そのまま、ぐったりとしていたはずのコボルトが再び起き上がった。あの失敗した1刺しで起きたようだ。




「ッチ」




 失敗してしまった。上に上がるにつれて、心臓を刺すときに失敗することが多くなってきている。やはりレベルが上がるにつれて骨も丈夫になってきているようだ。殺し切るには首を掻っ切るのが早い。だが、心臓のほうが一番確実に殺せる。




 心臓を刺すことで、血液が多くながれ出てくる。そのまま、内臓を圧迫して内臓破裂を起こすこともできる。血が多く流れているので、このまま泥試合をしても勝ちそうだ。だがそんなことをしていれば、次々と戦いが起き、混戦と化す。




 心臓あたりを刺されたことで行動が鈍っているように感じる。そのまま、背後をとるように近づき、頸を切るようにして、短剣を入れた。スピードも乗っていることもあり威力が高い。念のための




「ウィンドカッター」


 だ。首チョンパをして勝利することができた。短剣をふるい、ついていた血を落とす。これからまたもや戦闘が始まる。こんなに匂いが強ければ俺に気がつくことができないだろう。近づいてきた敵に、ウィンドカッターをお見舞いする。




 向かってくる敵の方向に進むこれが意味するのは、威力が上がることだ。そのまま、腕を落とすことができた。ハンデができればこっちのものだ。と思い近づこうとした。だが、おかしい。近づいてくるのがあまりにもゆっくりだ。




 慣れていないのか、片手でバランスが取れておらず、走ってこようとしているのにこけてばかりいる。これが最適解なのかもしれない。腕を落とし、そのまま殺すこれが一番速そうだ。

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