第870話

 ドロップは、魔力がしっかりと篭った魔石とスキルブックだった。魔石の内容量は、あのオークナイトも上回るほどの量が詰まっているように感じる。


 魔石に込められている魔力が多くなるのは、進化やレベルアップだけだと思っていた。どうやら歳を重ねることでも強くなるようだ。人間で言うと思考がはっきりしてきたり、考えが深くなるみたいなことだろう。


 スキルブックの方は、老化デバフ防止だった。やはり老化デバフは存在していたようだ。不老の存在になっているので、俺はその心配をする意味はない。周りにそんな位心配をしている人もいないので安全だ。老化デバフの内容としては、主なものはステータスの低下だ。認知症による知能の低下、骨粗鬆症による防御力の低下、筋肉が減ることによる力の低下といったものがあるそうだ。それだけで終わっていればいい方だ。


 歳をとることでさらに下がるものがある。それが免疫だ。それも再現されており、従来の人よりも風邪にかかりやすくなる病気耐性減少のデバフが付与されるようだ。上がったステータスを元に戻すためだろう。ステータスが上がっていれば、病気になる確率もぐんと下がってしまう。


 それをなくすためのデバフだと考えれば自然だろう。それが付与されないようになるらしい。あとは、老化防止とかになれば認知症にも効くことになる。認知症になっている人にこのスキルを取って貰えばどうなるのか気になるところだ。だが、そんな他人に渡すほどお人好しではないからなー。絶対に渡すわけがない。


 副次効果として、見た目を若いままに保つことができるようだ。美魔女とかそんな感じろう。ある一定の歳(寿命)に近づくと見た目の歳をとっていくようだ。そして、老婆の姿で亡くなる。それが決まっているらしい。


 ある人からすれば、喉から手が出るほど欲しいものだろう。ダンジョンに潜っている人は知らないが、ある一定のレベルに行けば、体の老化がゆっくりになると聞いたことがある。体の最適化だ。それが発動すると、見た目の年齢や筋肉量の変化が起きにくくなるようだ。


 老化防止のスキルに頼らずに、頑張る人にとってはこっちの方が正しいだろう。正直、健康寿命を伸ばすようなスキルだと思っていた。まさかその上位互換のようなスキルが出てくるとは想像していなかった。


 誰に使うのかは、俺の気分次第ということだ。召喚獣に寿命があるのかはわからないが、もしあるならそっちに使う方がいいのでは?そう思ってしまう。

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