第871話

 攻略の方法を見つければ、あっけなく戦闘が終わってしまうな・・・。今度は何をしようか?思いつかないな。今日の目標があのオークを殺すことだったが、特に問題はなかった。強くなったことへの驕りや舐めている行動、それが原因だ。


 老オークのように、技術で攻めてくるタイプかと思っていた。実際は真逆の脳筋だった。それであれば、普通のオークと大差がない。ステータスが上がっているのと、アーツが使用できること、気力操作の上達。この辺りしか、強くなったとは思えない。


 オークの上位互換だが、オークナイトよりも弱いぐらいの立ち位置だな。老オークの方が強いのではないか?もしかすると、あの若オークはリポップする可能性があるのか?誰もが欲しがるであろう、このスキルブックをドロップするのが1体のわけがない。


 リポップするタイミングもわからないし、どうしようもなさそうだな。ユニーク個体であればユニークスキルや、変異したスキルが手に入るはずだ。だが、あの老化防止がユニークとは思えない。あるなら不老の方が正しいだろう。


 寿命が数年伸びるとか、数年間今の年齢を維持するとかその辺りはあるだろう。と考えた結果、あのオークはリポップするレアモンスターだと考えた。チーフとかが歳をとるのかを確認してから、あれを売却するのかを決めないとな・・・。


 もし売却をすれば、その販売者が誰かの探り合いが始まるだろうな。そこは匿名性なので問題はない。変なサイトとかと比べる方が烏滸がましいな。その確認が終わるまでは決して出品することはないだろう。


 新しく作りたい武器も見つからないし、特にやる気が湧かないな・・・。アンデットナイトの屋敷のところもまだリポップしていない。本当にすることがなくなってしまった。


 そういえばスクロールの確認だったな・・・。ここ最近ではウィンドランスのスクロールが見つかったようだ。今までは宝箱からボール系の魔法が込められたスクロールがよく出ていた。破くことで効果を発動するものだが、それの写真が挙げられている。


 その元になっている魔法陣と、刻印を見比べてみると一致していた。・・・そう一致していたのだった。俺がハンコとして作った第1号のそれは、その書かれていた刻印の反対向きをしていたのだった。鏡で反対にしているような感じだ。


 効果が出る方向がおかしくなっても仕方がない。急いで、左右反対のものを作るために家に帰る。そしてマジックバッグに入っている魔石を取り出し、それに刻印を開始した。それがイライラする。毎回四角に直してから書くのがめんどくさい。ハンコにせずに普通に使うのであれば、球体でよかった。


 だが、ハンコとして使うのであれば、球体は良くない。そのため、四角に切り出してから、それを掘っていた。最初は大きなところを書き、その後細かいところを書いていく。その作業で毎回反対のところに書いてしまったり、形がおかしかったりとひどいことになっている。


 刻印をするときに出てくる手本の魔法陣は正面を向いており、反転していない。それを脳内で反転させて書いているため、間違いが多くなってしまう。それを鏡で反射させて、写真をとることができれば・・・。日曜を全て使い、月曜の夕方ごろだ。ついに第2号が完成した。


 長かった・・・。イライラで投げ飛ばしたり、逃げたりしながら続けた結果だ。途中からなくなって魔石をオークションから購入することになったが仕方がないだろう。

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