第1386話
魔法への警戒はしていたんだろうな・・・。その分、弓への警戒がなくなっていたはずだ。婆娑羅はいつでも攻撃を仕掛ける準備に入っている。マリアは盾を捨てるのだった。もう弓が刺さっていることで重石にもなっており、取り回しもしにくくなる。そんな邪魔な存在に一瞬で変わった。早い判断だな。
マリアの武器はメイス一本に変わる。残っている後ろ半分のライトボールを飛ばすのだった。目的は殺すのではなく、足止めだ。だから威力の低いライトボールを選択する。後ろに残っているライトボールのうち、一つだけ魔力がしっかりと込められているものがある。
おそらく魔法の形の応用とかだろう。球体の形をしているが、本体はその半球だろう。最初に放った前半は全部ブラフ、今から放つ魔法はほとんどブラフだが、一つだけ本物が混じっている。そう考えると思考的には、奇襲は成功するか。
オークが魔法を全て叩き落とす派なら、役に立たないな・・・。受けたオークがダメージが全くなかったのだから、受けなくても良いと判断したのならそのブラフに引っかかるだろう。・・・さあ、相手の思考をどう読み取る?
俺がするのなら、まだ残っているブラフの魔法の半分を放つ。ここで攻撃を受けたものに、その狙いの魔法をぶつければ良いだけだ。その作られている魔法は、確実に一人は落とすことができる威力を持っているのだろう。
マリアが残っている魔法を左右を挟むように飛ばすのだった。魔法使いや弓に対しての思考の搾取だろう。ボールにはボール系の魔法を徹底しているようだ。ウィンドボールとウォーターボールがマリアが飛ばした魔法を破壊する。
それと同じように飛んでいた魔法が、急に方向転換をするのだった。それが、力を強めに設定していた魔法だ。前衛にいる一体のオークの背中に魔法が当たる。そして、爆ぜたことで一体のオークを葬り去る。他にもあると警戒したのか、オークは後ろに下がる。そして、背中を合わせることで周囲の魔法を警戒するのだった。
一体葬り去れたのはよかったが、これで奇襲作戦は警戒されてしまったな。
残った二体のオークが同時に攻撃を仕掛けるのだった。前後にずれ、少し横になるような二列で近寄ってくる。攻撃がくる、と婆娑羅の腕に力が入る。婆娑羅も攻撃を仕掛けるために近寄るのだった。
互いに残り五歩程度で攻撃を仕掛けることができる距離まで来ている。急に左右に分かれるのだった。その隙間からくるのは弓だ。構えられていた弓が、離れたオークの隙間を通りマリアを狙うのだった。
だが、同じ手は二度通じないとばかりに、メイスで飛ばされた矢を叩き落とす。その別れた二体のオークが外から内へ武器を振るのだった。持っている武器は槍と大剣だ。リーチがあるため、同志討ちにはならない。この武器だからこそ取れる作戦だ。
マリアは瞬時にしゃがむことで、その薙ぎ払いを避けた。そして足元に魔法を作り出し、オークに向かって放つ。殺すために大きく振り払った後だ。隙が大きい。その隙を埋めるための弓は、もう殺したことを確信したのか次の矢を構えていなかった。それにより、生き残ることができたのだった。
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