第658話

 戦闘の授業では、自身が使っている武器の重さを申告し、それと似たような大きさの武器を使うことになった。大剣を使っていた人もいたのでその人にとってはありがたいことだろう。その分危険度も上がってしまったので注意が必要となった。そして、遠距離の武器を使う授業の時間がずれた。


 いつも通りであれば、この授業と被るように開催されていたのだが、今年は次の日に開催されている。次の日も特に授業は取っていないので取ることはできるな・・・。何が目的なのか。遠距離に変えることができるよ。とのことだろうか?それとも遠距離も学んでおけよ。という意思表示なのか。


 一年の授業もずれていたことから、どっちも取ることができるようになったというのが正解だったりする。そんな遠距離の授業だが、魔法と似たような感じだった。唯一違うのは指示を出される的が小さかったことだろう。その分障害物も少なく、場所次第では高台になっており見下ろすことができる。そこから遠距離武器を撃つことができるようにもなっている。


 実践的だな・・・。木の上にいるという想定なのだろう。もちろん魔法の授業と同様に障害物や人間の形をしたものも立っている。あれはどうやら戦っている味方を想定しているものだろう。全ての的の近くにいる。中には、的の目の前に立っており、曲射の練習をするような的もあるようだ。あれが一番のハズレ枠のようだ。


 なんというかガチだな・・・。場違い感がすごい。銃を撃つためにこの授業を取ったのだが、間違いだったようだ。もっと的当てのようなものを想定していた。ここまで実践的にスキルを磨くとは思ってもいなかった。


 魔法を当てれば大体倒すことができるのに対し、魔法を除く遠距離武器は急所を狙わなければならない。放った後、その矢をコントロールできない。この差が大きい。もしコントロールできるのであれば、避けられてもその理論値は心臓だ。そんなことができるのは魔法弓を使っている人ぐらいだ。


 魔法までの予備動作(魔力を込める)がなく、奇襲にもってこいの武器だ。一番最初に1体殺すことでどれだけ有利になることか。その一番最初を鍛えるためのトレーニングがこの授業だ。殺すことまで行かずとも当てるだけも変わってくる。その鏃に毒を乗せていれば有利な状況なのは変わりない。


 さらに注意力を奪うことができるので攻撃を当てることが一番大切になる。その授業は2年より前にしているのだろう。2年の授業から取るべきだったか・・・。魔法と同じであれば1年の授業では50mの的当て、2年であれば100mの的当てだ。


 まあまあの頻度で使っているのでいけるとは思う。だが、その授業は全て他の授業とかぶっており選ぶことができないので、今日の3年の授業を選ぶことにした。練習すればなんとかなるだろう。いざとなればコツとか教えてもらおう・・・。


 というかアサルトって遠距離武器なのか?そう思い先生に確認を取ると武器のサイズを聞かれアサルトと答える。一応遠距離かな?とのことで参加することができた。ショットガンはもちろん、拳銃やサブマシンガンなんかであれば近距離や中距離と答えられていただろう。アサルトまでスキルレベルを上げていてよかったー。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る