第1192話
18階層はマジックウルフだ。最初から群れを形成しており、体の大きな個体が後ろに陣取っている。これを殺さない限りは次の階層に行くことはできないようだ。婆娑羅もこの階層が1番時間がかかっていた階層だった。
このタイミングだろう。召喚するにしても殲滅力がいる。そして前から召喚しておきたかったスケ3の召喚だ。盛り上がり今の魔王への困惑を示せ、そして称号を剥奪しスケ3に魔王の称号を与えんとす。
正直、あのスケルトンキングを相手に戦うとなれば、助け3の方が強いような気がするな・・・。そこは魔王だ期待しておくか。刀を片づけ、魔力形質変化でパタを装備する。手刀から、両刃の鋭い刃が伸びた。すでにマジックバッグには刀や銃が入れらており、動きを遮るものはもう誰もいない。
マジックウルフから一斉に魔法が放たれる。左手の刃の部分を液体に変化させ右から左へと振り払うことで液体の弾丸として飛ばした。それが魔法に当たると同時に爆発を起こし無効化すると共に砂塵を巻き上げる。スケ3は真っ直ぐ走り出し、1番近くの魔物から殺そうと動き出している。
正面から飛んでくる魔法を縦に切り落とし、斬撃もついでに出した。だが、さすがはウルフ種といったところだ。距離が空いているため避けるのには余裕があるらしい。だが、この隊列には欠点がある。それは前線を張るものがいないという点だ。
後衛ばかりで編成されているため、詰められた時に対処することができない。スケ3が右にまわり、俺は左に回りながらマジックウルフを囲い込む。だが、次の瞬間には最後の足掻きを行なった。あのリーダーみたいな巨大なマジックウルフが、自死を引き換えに自分を中心としたファイヤーストームを作り出したのだった。
流石にそれは計算外だ。こんな低階層で、火魔法のスキルレベルが高いものを使ってくると想像することが難しい。できたとしても魔力不足で失敗することになる。そのため、ないと思っていたが実際に起きてしまった。次に行動するのなら、2つの選択肢がある。
1つは、このまま殴りに行くことだ、正直この程度の火魔法であればそれほどのダメージにはならないだろう。そのため、ファイヤーストームの中に飛び込んで行っても問題はない。その2空中からの奇襲だ。ファイヤーストームの特徴として、自分の中心部分は空洞になっている。さらに空には穴が空いているため、そこから侵入することができるのだった。
もし空中から侵入したり、攻撃したりすることができるものが敵として存在している場合、その魔法は自分を覆う檻と変わる。その攻撃手段は向こうも同じことが言える。なら思考が追いつく前に攻撃するのが正解だろう。
バイルバンカーのように砲身を作り、魔力を圧縮させた弾を入れる。そして、構えた時だった。弾道計算のスキルが発動した。どのような軌道を描くのかは簡単に理解できた。その砲身を上に突き上げ、弾を飛ばした。その弾は予測した通りの軌道を描き、ファイヤーストームの中に入っていく。最初はただ落下してくるだけだ。
何も脅威のない弾の落下だ。だが、俺の魔力操作の有効範囲に入った瞬間、そのたまは脅威以外の何者でも表すことができないものになる。有効範囲に入った瞬間、球体の弾が膨張しサイズが大きくなる。そして、1本の針が地面に突き刺さり、その針で体を支える。
膨張した体が一瞬縮こまった。そして次に再び大きくなる時には針の腕が伸ばされる。その針は地面に突き刺さるものもあれば、空を指しているもの、ファイヤーストームを貫いていいるものと全方位への無差別攻撃だ。
その攻撃やファイヤーストームで監獄になっている。この2つの要因が重なりマジックウルフは死んでいく。ドロップは風属性を纏った魔石(小サイズ)と、火属性を纏った牙だ。この2つがドロップした。魔石は小さすぎて使い物にならないため、即売却だな。そう判断してすぐにオークションに流した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます