第909話
そのまま蜂の階層を周回をし、月曜日になった。だが、特に面白いことはなく日が過ぎ去って行く。そして、金曜日になりイベントがやってきた。毎年恒例のハロウィンではなかった。ゴブリンやオーク、コボルトが皆、黒色の服に着替えており、闇に紛れる。
そして、黒色のほっかむり(頭を包んで鼻のところで結えているやつ)をつけている。モチーフは泥棒のようだ。・・・泥棒?イベントと何も関わっているとも思えない。ただ、フィールドが基本的に夜なため、見にくいのが欠点だ。月明かりか魔法を頼りに見つける必要があった。
肝心のドロップは、体を黒くするという効果がついているほっかむりだ。夜の隠密にはもってこいのアイテムだ。普通に強そうな効果だ。もちろん敵も使っている。だが、戦い方がキモかった。近くで襲われていた人を見ていたのだが、すれ違いざまに体にぶつかりながら、物をひったくっていく。泥棒ではなくひったくり犯だったのだ。
そこは、厄介だがマジックバッグから奪い取る能力を持っているとか、そんな感じのものにしてくれよ・・・。さらに隠密を持っているようだ。目の前にいるのに気がついていない。似たようなスキルだが、スキルレベルに差があると効果が発揮しないようだ。
その頭巾がレアドロップだ。そして基本のノーマルドロップは、お菓子だ。軽くつまむことができる程度のお菓子だ。鑑定の結果、隠密のバフがついていた。どうやら、敵として現れるコボルトやゴブリンはこのバフアイテムを食べたことで能力を得ているのだろう。
5階層のオークでは、その頭巾の他に首に風呂敷をその首元につけている。それを移動させることで首の攻撃を防いでいるようだ。特に意味はないためすぐに殺す。風呂敷に何かしらの効果がついているのだろう。それだと欲しいかな?
そして7階層のコボルトの団体は進化をしていた。クナイを投擲してきたり、手裏剣を投げたりしてくる。もう忍者だ。もしかすると泥棒と忍者を同列視しているのか?泥棒は物を盗み、忍者は情報を盗むと。似ているようで似ていない存在だ。
ドロップは手裏剣とクナイだ。遠距離で戦うものがいないため簡単に決着がつく。忍者ということは吹き矢がいるのかも?そう思ったがいないため、問題ない。
8階層では古びた着物を着ているアンデットだ。たまに着物の裾を踏んでこけるのも一興だ。しっかり足を上げていれば踏むことはないが死体だ。踏んでしまうのもおかしくないだろう。本当にモチーフはなんだろうか?
蛇は少し変化していた。ウサ耳がついていたのだ。ウサ耳ということはウサギってことでいいよな・・・。月?十五夜は9月だしな・・・。月見?で泥棒・・・。あー、お月見泥棒か。忍者ってなんだ?ただの勘違いかよ。
1回でなぜかウサ耳がドロップした。効果は餅が美味しくなる。そして、和食デザートにバフがつきやすくなるようだ。前者はわかる。だが、後者の意味がよくわからない。どこからこんなバフがつくようになった?こんなバフがつくイメージが湧かない。まあ、バフ料理が作れるようになるのなら喜んでもらう。
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