第213話

 開始早々、剣士Bがスラッシュのアーツを放ってくる。だが、その攻撃に合わせてウィンドカッターで相殺する。相殺をしたのだが爆発が起き、視界は悪くなった。剣士Bが突撃を開始するようだ。おそらくこいつは、先制時か決め切る時にアーツを放つという戦闘スタイルだろう。


 魔法をアーツで受け止めるという臨機応変さがあるが、この戦いにおいてそれが仇になる。魔法での魔力とアーツでの気力どちらが消費が大きいと思う?それはアーツだ。魔法は元々飛ばすためのものだ。飛ばすための魔力をあまり消費しない。


 だが、アーツでは話が変わってくる。まず、アーツを使用した際に自覚はないかもしれないが身体強化もかかっている。その気力消費1つ。これがなかったら、アーツに体が耐えられなくなりそうだ。無理な体制から放つと関節とか体を痛めそう・・・。身体強化でも気力があまり消費されないと言っていたのだが、それは気力操作があればの話だ。操作をすることができなくなった気力は、空中に消える。


 次に斬撃だ。スラッシュには斬撃があるように他のアーツにも斬撃が発生するアーツがある。その斬撃を放つ際の気力消費が大きい。気力は元々体の内部で動かすように作られたものだ。それを外に放つとなると、消費量が多くなるのは当然だ。元々放つための武器じゃないし。


 最後に武器に纏う気力だ。アーツを放つ際の青い光は全身だけではなく、剣も光る。その意味は、武器の保護だろう。無理に振っていると壊れやすくなる。それを防ぐために保護をしているように思える。


 気力切れをさせようと、何度もウィンドカッターを飛ばしていく。それに対応すべく、スラッシュの斬撃で打ち消している。だが、そのスピードに対応することができず、何度もダメージを受けているようだ。最後の締めとしてファイヤーバレットを飛ばす。気力はもう尽きているのだろう。剣が輝いているので気力操作だけは身についたようだ。


 その剣で、ファイヤーバレットを切った。そこまではよかった。だが、それは高熱を帯びた物体だ。その熱が手に伝わり、剣を捨てる結果となった。そしてギブアップ宣言だ。あと少しだったな・・・。気力操作に覚醒するのはいいけど。気力を多めにこめて熱が伝わらないところで切れば、剣が熱くならずに済んだのに・・・。


 結果論だ。何もいうことができない。逆にイライラを与えてしまうと元も子もないからな・・・。ヒールをする時に手を見せてもらったのだが、その手は軽く火傷をしていた。剣を持つだけでも痛そうだ。戦闘中ならともかく、こんな試合で痛い思いはドMでなければギブアップして終了だろう。

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