第212話
とりあえず動機を聞くか。ダメージないし。動機次第でぶん殴る。
「君ねー。何がしたかったの?」
「大丈夫ですか?」
そんな声が背後から聞こえる。
「大丈夫、大丈夫。効かない体質だから。」
「ですが・・・」
そんなやりとりをしているのだが、質問に対しての返答がない。一旦、腹パンして気絶させる。事情聴取は後だ。今日の試合を終わらせるか。服何かあったかな・・・。運動着だったのでまだマシだ。これがもし、私服や制服なら話は変わってくるだろう。とりあえず、弁償は確定だ。
面倒くさいし、このままでいいか。特に困ることはないし。一時的に動きは止まり数分が経ったが、何度も聞いてくる。控え室に戻りなと伝えた。これに含まれる意味は、控え室に戻って聞いてくるなだ。だが、それに気がついていないようだった。
「何度も聞かないで鬱陶しい。」
気を使うのはまだいいが、何度も同じことを繰り返し聞かれるとストレスだ。そのため、このようなことを言ってしまった。さて、着替えを確認したのだが、持っていなかったのでマジックバックに入れていた私服を取り出し、それに着替える。ジャージに私服はダサいので、全部着替えた。
続きを始めるか。何やらざわついているようだ。ところどころでは、俺が毒で続けられないのでは?とまで囁かれているぐらいだ。そんな噂は面倒くさいし、どうでもいい。どうせ勇者君があの錬金術師に俺が何かしたのだろうと突っかかってくる未来が見えたような気がする。それか自作自演といった理由かな?
まあ面倒くさいことには変わりはない。どうせ噂だ。適当に変化して伝わっている。絶対に勇者君がやってくるだろう・・・。
「はー・・・。」
目から光が失われたような気がする。次の試合は・・・。2属性の魔法使いと剣士B君もといおじさんっぽい剣士略しておじ剣だ。うん、自分で言っといてなんだが、わかりにくかったので、元の剣士Bに戻すか。一年生には黙っていたのだが、この試合に勝つと明日決勝リーグに行くことができる。先着2名だ。この2試合の勝者が明日トーナメントに混じり戦うことになる。
もちろん1位2位とも行くことになるので、なぜ戦う必要があるのか?と思う人もいるかもしれないので説明しておこう。それは、シードを決めるためだ。10人で戦う場合、シードは4枠だ。その4枠を埋めるのは勇者君が監督をしているところを除く、4つのトーナメントの1位だ。
明日は絶対に来なさいと言われていたので、仕方なしに行くことになっている。といっても審判をすることもないので開会式はなかったが、閉会式はある。それに参加するだけだ。それまではダンジョンに潜ったり、今日壊された運動着を買いに行ったりする予定にしている。
他のリーグの参加者を見ていたのだが、特に気になるといった人はいなかったな。
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