第214話

 もう片方のハンマーと弓による戦いだ。ハンマー君は、気力を使っていないので、気力はマックスまであると考えよう。それなら、地響きとかしてきそうだな。弓ならば、狙いを定める必要がある。だが、地響きの影響でその狙いが定まらない。


 地響きは、簡単に言うと地面が揺れるだけでダメージを与えることができない。地面の中にいる敵に対しては効果的だ。擬似地響きを前見たことがあった。それはユニークトレント戦時での騎士の地面を揺らしていた技だ。あれの無差別バージョンといえばわかりやすい。


 空中に浮いている時や重いものに効果がない。レベルが上がればなんとかなるだろう。俺の場合はバリアの上にでも浮いておこうかな。あと投げたハンマーが戻ってくるスキルもあれば面白いのに・・・。やっぱなしで、受け止める人の力がなければ押し負けて潰れるわ。


 弓の場合のアーツは、模写(コピー)だ。弓を放った瞬間これを発動すると放ったはずの矢が増えていく、しかも全て実態になるので攻撃判定付きだ。こう言うのってたいてい残像だろ!!流石に気力ですることはできないので、このアーツは魔力を消費する珍しいものだ。


 あとは、○連射だ。その決めた数を打ち続けるものだ。途切れることがなく続けることができるので安全圏からチクチクするのにちょうどいいスキルだ。しかも、ホーミングのおまけ付き。最短距離で追加付くことになる。そのホーミングは使用した魔力量によって、継続時間が決まる。


 さて、戦いを始めるか。前の試合では、ハンマーを引きずる形で入場してきたのだが、今回は入場した途端方に担いだ。正直立っているのが辛くなってきた。椅子を出しても怒られないよね?次から椅子出すか。


「バリア×2」


 念の為足元に二重で出しておく。旗を振り下ろす。近づかなければ勝負は始まらず、一方的な蹂躙が始まる。そのためには、まず足元を崩すことから始めるだろう。崩すには震度7以上の地響きを出す必要がある。と言っても出すことができるのはそれよりも下だろう。


 震度7ぐらいになると立つことができなくなる。それ以下でも手元を狂わすことは期待できる。やはり予想していた通り、地響きを出してきた。俺は空中にいるので効果がないが、立っているだけでも辛そうだ。しかも、若干恐怖しているようにも感じる。恐怖状態の付与か・・・。なかなかに厄介だな。


 その地震はまだ続いている。おそらく、あと1分といったところか。ハンマーを置いていくと効果時間アップとかあればいいのに。時間が経つと言うことは、その分地響きの効果も落ちてきていると言うことだ。弓が動けるようになり、行動を開始する。


 あと、5mほどで、ハンマーのリーチに到着する。だが、それよりも前に弓からの攻撃が出そうだ。

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