第985話
土曜日が来たということは王子とのダンジョン探索の時間だ。前回は1万の返済があったため、残り4万の返済だ。と思っていたが、合流してきてすぐに金を渡してきた。即返済する方を選んだようだ。ソロになればこの辺りが自由になる。これからずっとソロで行くと考えると、こんなことに悩まされることはないだろう。
この辺りのことを記憶しなくていいのは楽だ。毎回何円もらっていないとかの計算をするのもめんどくさいし、覚えておくのも面倒だ。さっさと返してもらうのに越したことはないな。そういえば、あの勧誘から1週間経った頃か?
治療は何もないけど、一応聞いておいたほうがいいはずだ。
「元のパーティーからの勧誘はきた?」
「完全に諦めたようですね。一応聞きますけど、あの後裏で目玉をくり抜いたりしていませんよね?」
「あの後すぐに帰ったような気がするけど?どうしたの?」
「先週休んでいて、今週また大学に復帰していたのを遠目で確認したんですよ。その姿が車椅子に乗っていて、両目に眼帯をつけていたんですよ」
今週大学で重症の人を見かけたが、本当にあれだったとは・・・。
「思い込みとかでしょ?痛めつけたのは腕だし、正直人形に目玉をつけた程度でその脳とかの内部の器官ができてないと使えないからねー」
脳を反応して映す機械で眼球がキーボードだとする。いくらキーボードを動かしたとしても、その映したり反応を示したりしなければ機能していないのと同じだ。目で見えている原因は、脳が処理しているとされている。
左右上下が反転していて、それを脳が正常な向きに直しているとされている。その脳がないと思われる人形であれば、いくら目をつけたところで意味はないだろう。
「そうですよね」
「気を取り直して今日するのは、15階層のオークをソロで倒してもらうことです。これが最終目標になるよ」
「1人で複数体を相手に戦うのは難しいですしね」
「このオークが終われば、ソロの戦闘の基礎は終わりかな?あとは応用するのみだね。アシスタントは、前回と同様に白狼にお願いしようかな?」
白狼を召喚した。そして王子の方を見ると、またかと言っているように俺を見ながら目を細めている。気持ちよく戦闘するのは今度になるのだから頑張れ。何事もなければ、今日か明日には終わるはずだ。
その階層にやって来たのだが、順番待ちが発生している。いつものことだ。とりあえず、毎回のチェックに行こうか。
「魔力操作と気力操作のスキルレベルは?」
「魔力操作が5で、気力操作が4ですね・・・。スキルレベルが5になってから成長がとても遅くなっているように感じるんですけど。気のせいですか?」
「その感覚は正しいよ。けど、どうしようもないから根気強くしていくしか方法はないかな?」
「ですよね・・・。戦闘に何か命令みたいなものはあります?」
「アドバイスはするけど、とりあえず戦闘方法を見たいから何にも言わないかな?あと、ソロでするならこの辺りも自分で考えないといけないから気をつけること。人数不利を捌くことができないのなら、仲間を増やしか方法はないけど、時間がかかるよ・・・。まあ、とりあえず1回行こう」
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