第986話

 軍師(チーフ)を訓練した時には、もっと下の低層から行っていたが、そんな縛りはもう必要ない状態だ。持っている全ての力を使ってこのオークを倒してもらおうか。物理防御力や魔法防御力的には王子の方が有利な状況だ。


 しかも足として馬を召喚できるようになっている。そのため、魔法を避けることやオークに追いつかれ合い距離で魔法を連射することも可能だろう。スピード的には白狼も負けていないはずだ。なんとかなるかな?


 順番がやってくる。光属性のエンチャントを剣に施し、そのボス部屋に入る。そこにいたオークは、5体だ。後衛は魔法1体と弓1体だ。敵の状態の判断方法の確認とかもしておく必要があるな・・・前衛は槍、盾と片手剣、ヌンチャクだ。ここでレア武器がくるか・・・。


 基本的な前衛は、盾を持っている個体が前に出て攻撃を受け止める感じになるだろう。そこから遊撃とかで削り切る感じになるのか?ヌンチャクの戦い方がよくわからないため、大体の想像だ。


 白色の鎧を身に纏い聖騎士モードになっているようだ。先制攻撃は、王子の方から始まった。光を纏った剣を振り下ろすと同時に斬撃を出す。縦に降るよりかは横に振った方がよかったと思うが、経験の差だろう。


 だが、ライトエンチャントの効果が発動している。その効果は斬撃のスピードが上がることだ。物理攻撃に魔法効果がつくのはもちろんのことだが、光魔法の斬撃にはスピードが上がる。距離が離れていると、より加速をするようだ。


 盾持ちのオークが横に避け回避をする。後衛のオークも同様だ。流石にこれで数体殺すことはできなかったようだ。至近距離ではなてば、回避不可の斬撃になるな・・・。白狼は近くにいるだけで、特に何もしない。複数人でいると人間はサボってしまいそうになる。それを防ぐために攻撃はしないと予め決めていた。


 ヌンチャクと槍持ちのオークがやってくる。避ける行動を選択したため、盾を持っているオークは少し遅れている。攻撃の方法は槍持ちが前に出て攻撃をし、ヌンチャクが遊撃を仕掛けるといった方法だ。だが、数秒の待ちが存在している。


 それを補うために、後衛の弓がその3体のオークの間を通り抜けながら攻撃を仕掛ける。そして、放射線状に飛んでいくのはウィンドジャベリンだ。もし、矢を避けたとしても魔法への対処が必要になり、オークの攻撃の対処まで間に合わないと判断したようだ。


 ライトバレットでウィンドジャベリンを破壊する。魔力をスピードに振ることでさらに加速させたようだ。貫通して破壊すると同時にその魔法は消えていく。もっと魔力を込めていると、貫通した弾を後衛にぶつけることができていただろう。


 矢を飛ばしてからのコントロールはできないため、少し動いてその矢を回避し蹴って折る。これで引っこ抜かれてそれを攻撃に転用するという手段が消える。それと矢の補充をさせないという意志もあるだろう。


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