第543話

 ダンジョンにやってきた。いつもであればモンスターを殺すことが目的で行っているのだが、今回は薬草だ。低階層にある薬草は、ほとんど採られているらしい。リポップするのに1日かかる。そのためダンジョン内に止まって朝帰りする人や、朝イチにダンジョンに行く人により、根こそぎなくなる。


 そして日光がなく、ジメジメしているアンデットがいる階層には薬草は生えないらしい。多いのは毒草だ。薬草にも階級があるらしく、下位、中位、上位が差別されているようだ。


 どのみち金にならないので意味はない。一応モンスターを倒して職業のレベルアップさせることができる。生産系のスキルはレベル5では目利きだ。完成したものが上出来かいまいちかを判断するためのものだ。レベル10は生産能力向上だ。


 その職業についた生産時に能力が上がるものだ、集中力が上がったり、熱への耐性がその時に上がったりする優れものだ。そして、レベル15は完成度補正だ。完成時に失敗しなくなる。そのため、鍛治では最後の水入れの時に失敗しにくくなる。


 目利きの結果、それが上出来だった時にこの補正は大きくなり、ゴミを生み出しそうになった時には、この補正は働かない。そんなスキルだ。そして最後のレベル20ではレシピ保存だ。レベル20になってから行われた作業が5個ずつ保存されていく。5個を超えると古い順から消されていくことになる。


 その時にレシピとして保存することができる。保存するとスキルを発動時に表示されるレシピに乗ることになる。そのため見返す時やどうやって作ったのかの確認時に使うことができるスキルだ。


 既存のものは保存できないので新たに自身で見つけるしか方法はない。わかっているレシピ通りに行っても成功することができる。だが、オリジナルのレシピを使うことで、作業を短縮化することができるかもしれないよ。


 とのことだ。チートでよくあるような。魔力を使って複製をすることもできないので注意が必要だ。不便だが、メモを取らなくていいところがありがたいな。


 研究あるのみだ。卒業できるようになり、就職先も見つかっていれば鍛治や薬を極めてもいいのかもしれない。その時になってから考えればいいか・・・。肉と同時に確保できるところに行こうかな。と決めていたのだが、ふと思ってしまった。


 肉になる動物って基本草食だよな・・・。薬草を食われているよな。コカトリスだと毒も消化できそうだから。余っているのは基本的に眠り草か麻痺草だろう。


 14階層のトレントで探すか・・・。しばらくは野菜炒めの生活が始まりそうだな・・・。

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