第619話
日本は今、ロシアかアメリカどっちの派閥だ?と聞かれると誰もがアメリカだと答えるだろう。それは海外から見ても同じのはずだ。戦争真っ只中、ヨーロッパの援助として金を渡しているようだ。援助という名目なので帰ってくることはないだろう。
アフリカといった最近ダンジョンで成長している国からは、傭兵家業を始めたという噂も経っている。ほぼ拮抗状態だが、その戦争が激化する一歩手前まできているようだ。各国では戦争反対とでも活動をする人もいる。
今引き分けというなんとも言えない気まずい空気で終わらすこともできる。そんな結果に見栄を気にする奴らが囚われるわけがない。革命がされるのも時間の問題だな。
どの国も持っている勇者という最高クラスの戦力をいつ投下するのかで、戦況は大きく変わることになる。勇者も全員が善人というわけではない。もちろん闇落ちし快楽殺人をする輩もいる。
暗い噂もあるやつもいるぐらいだ。戦争に喜んで参加するだろう。兵器系の売上が上がっているのも事実だ。ここからはどう転ぶのかがわからない。そんな時期になってしまった。
アメリカで兵器の開発が進んでいる。あの電気の発明をすることができたあの刻印の使い方だ。風魔法の刻印ができたのだから、他の魔法の刻印もできるはず。と考えたようだ。
その実験が行われる。一応風以外の魔法は使うことができた。だが、その威力は低く使い物にならない。空中から落とすのであれば、威力はある。歩兵に使わせるとなれば、殺傷能力は皆無だ。
魔石を複数個集めてその刻印を使うという案も出ていた。だが、それは持続時間を高めるだけで、威力が上がるというものではなかった。魔法陣が悪いのか、それとも魔石が悪いのか、それはまだわかっていない。
魔法陣の方が悪さをしていると思っている。魔力を多く込める時には、スピードに特化させるか、耐久値に特化させるかなどを発動した人が決定する。だが、この魔法陣の場合は決定する人がいない。
そのため魔石から流れてきた余剰な魔力は全て持続に行ってしまうのだろう。余剰に魔力が入れられた場合の刻印をすることができれば、完成だ。
持続時間が伸びるということがわかったおかげで、発電の効率は上がったようだ。今のところ効果が一番高かったのは回復魔法だ。回復魔法を刻印し、その魔法陣に魔石をおくことで回復魔法が発動される。これが戦争でよく使われるようになった。
初めは実験も兼ねて国に貸し出しをしていた。だが、足元を見ており金での買い取りを要求している。戦争に勝つよりもビジネスを優先したようだ。勝てば賠償金で儲け、負けても手に入った金で賠償金を補填することができる。
自国さえ良ければそれでいいみたいな考えだな。リアルなゾンビ特攻ができてしまった。ロシアもまだここまでは行っていないようだ。もしこれが奪われた場合は向こうのほうが発展が早そうな予感がする。
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