第824話

 気分が乗っていたため、検証を繰り返していた。その結果あたりはもう真っ暗になっており、ダンジョン関連のドロップの買取を行うところも閉まっている。夜の街を歩くのも久しぶりだな・・・。行ったのは一回だけど。


 今日の戦闘で、魔力性質変化で防御する時が一番怖かったな・・・。受け止められるか、壊されるかの2択で賭けに出て正解だった。壊されても、それにぶつかり吸収することでプラマイ0にするつもりだったので問題ない。


 水にしておけば、そこを通り抜けるだけで破壊されることはないのか・・・1回きりの方法だな。水に変えた瞬間から自然落下を始めるのだから、攻撃をされる一瞬だけ水にし、元の形に修復する。この作業を一瞬で行わなければいけない?


 行けるか?刀の確認も残っているのだから、明日もすればいい。そんなことを考えながら家に帰る。特に警察に補導されることなく家に帰ることができた。


 _____


 次の日になりダンジョンにやってきている。今日の一番初めは、刀だ。刀の刃じゃない方に魔力性質変化で硬化させたものを、上にかぶせる形で纏わせている。元から軽いので刀を振ることに支障は出ない。今度の縛りは刀とシールドだけだ。


 試した結果だが、刀で十分だな。斬撃として間違えて魔力を込めたことにより、魔力形質変化が作用した。その高質化した物質が放たれる斬撃はどう飛んでいるのかも確実にわかるものになり簡単に受け止められる。


 斬撃の利点は視認されにくいというところにあった。だが、この方法だとその良さが消えてしまう。あとは刀の使い方だな。俺の戦闘方法では、敵に刀を突き刺す攻撃方法をとることがなかった。というか、戦闘シーンを思い出しても、そんな攻撃方法をすることが少ない。


 即死が確実でないことから攻撃を受けてしまう。そのことが頭から離れず、切り捨てる方が主体となっている。体に突き刺して内部崩壊をさせるのであれば、刀で刺突を出しても問題ないのかもしれないな・・・。刀を引き抜くときに、その魔力が邪魔をしなければよかった。


 内部破壊として出した棘を戻す前に刀を抜こうとしても、抜くことができず危うく攻撃を受けるところだった。それが刀での刺突と魔力形質変化を合わせた時の問題点だな。


 あとは切り捨ててから、枝のように無差別に伸ばすことで傷口を広げる方法だ。攻撃をされるよりも前に腹や腕に攻撃をしていることになる。いざという時にその魔力を一旦捨てることで回避ができるため、この方法は取りやすかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る