第19話

 3連休1日目。取り合えずゴブリンを殺し回ったよ。金属武器が2本落ちたよ、やったね。1日目をまとめるとこうなる。暗器術の影響か、すんなりと喉や心臓に刺すことができるようになった。うねる蛇のように思いのままに腕を動かすことができるようだ。


 なんだか肉体改造されている気分だ。強くなるためには仕方がないことだ。暗器扱いされている短剣で、グサグサ刺して殺している。こんなとこを見られていると、本当に殺人鬼に思われそうだ。そうなれば、暗器術ではなく暗鬼術になる。


 切り上げて家に帰る。この3日間はレベル上げを行う予定だ。これから先に行くには少しレベルが足りない。一撃で全部葬りされたら、完璧だ。だが、威力や力が足りず耐えられてしまう。


 2日目のことだった。昨日と同じように刺し回っていたが、深く刺してしまい。抜けなくなった。さらにその近くにもう一体いた。そいつは武器を持っていなかったが、俺のことを見えているようだ。じっとこちらを見ている。一回視界に入ってしまうと消えることができない。煙玉で視界を遮ることで、逃げ出すことができる。だが、そんなアイテムは持っていない。


 仕方がなく戦うことになった。武器はない。そのため、格闘術で戦うことになった。手始めに近づいて殴る。レベルの差があり、飛ばすことができたが、腕をクロスに組まれて防御された。さらに殴られる際に後ろに飛んで威力を軽減したのか、あまり手応えを感じなかった。そのためダメージは小さい。


 距離が空いたということは魔法の出番だ。魔法でゴブリンを倒した時からレベルが上がっている。そのため、攻撃力の高い魔法が使うことができる。


「アースバレット」


 と唱えた。弾丸の形をした弾が勢いよくゴブリンに向かって飛んでいく。銃弾よりは少し遅いぐらいだ。重くはないのだが早い。そのため貫通力に全振りしている感じだ。そのまま、ゴブリンの右肩を撃ち抜いた。


 もう少し操作性が上がればいいのにと思ってしまう。このアースバレットは、一回打つと操作ができない。そのまま一直線状に飛んでいくだけだ。重力もあり、そのまま落下していく。今の距離だと、なんとか当てることができる。離れすぎていなくてよかった。


 次は


「ウィンドカッター」


 だ。風が刃の形に固定され飛んでいく。その中に回転をしているので切断力の高い魔法だ。コントロールが難しい。そのため、左腕を切断するだけで終わった。これはもう勝ち確だ。そのまま突っ込み、顎めがけて横から蹴り上げる。


 格闘術の恩恵で体が柔らかい。倒れ込んでいるゴブリンに近づく。そのまま、足を垂直にあげゴブリンの頭を踏み潰した。


 グシャっという効果音の後、その体液が散らばる。いくつかは体についた。顔にも飛び散っていたので、それを服で退ける。


 興奮がおさまる。だが短剣を忘れていたので急いで、取りに戻る。


「よかったー」


 と安堵が出てしまった。これで武器を持たれていたら、そいつから奪い返さなければいけない。急いで、武器を持ち、先ほどまでの場所に移る。そこにはもう何もなく、スキルブックのみが置かれている。


「ラッキー」


 ゴブリンからは落ちにくいと言われている。それが二個目だ。もう、ラッキーとしか言いようがない。そのまま、リュックサックに入れる。急いで確認をせずに離れる。今出会いたくはない。一旦休憩をとるべく、1階に戻った。


 そして何事もなく、その日は終わった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る