第20話

 連休の最終日になった。スキルブックはその日にはあけず、今日の晩に開けるつもりだ。3日連続で潜るためのモチベーションがこの影響で上がっている。明日も嫌々学校に行かなくてはならない。疲れないようにするために早めに上がるつもりだ。サボりたいが親がそれを許さない。


 一応今日までゴブリン狩りを行う。そして、次からは一つ下の階に行く予定だ。しばらくは人型を相手に戦うことになる。そのためのゴブリンだ。ゴブリンで慣らしてから次の階層にいく。これが定番だそうだ。また、スキルレベルが低い時にレベルを上げるのにちょうどいい相手だ。


 そしてステータス任せの暴力を振るった。近づいてくるものにはすれ違いざまに喉や心臓を刺し、それを見たものは蹴り飛ばし魔法でトドメを刺した。レベルが昨日とても上がった。その影響もあり、魔法を使うのにも余裕が生まれてきた。


 いつもであれば、ミスをしたくないので、当てることに必死になっていた。だが、レベルが上がりステータスが伸びたことで魔法をたくさん使うことができる。そのため、誘導や、目眩しに使っている。


 例えば、わざと風魔法に色をつけることをしたり、砂を風で飛ばしたりした。さらに顔を狙うことで避けることはたまにあるが、そっちに集中する。そのため、俺を見失ってしまう。見失ったということはそのまま近づき、心臓や首を刺した。


 そんなことを繰り返し行う単純作業になってしまった。ダンジョンには変異種と呼ばれる強い個体が現れることがある。そいつを殺すことで、確定でスキルブックか武器が落ちる。武器だと、そいつが使っていた武器になり、ユニーク扱いになる。


 ユニークの武器とは、使用者が固定されてる武器のことだ。死ぬとその使用者が解除され、誰でも扱うことのできる武器になる。その時に性能はガクッと落ちるようだが、市販品に比べると断然強い。そのため、武器を奪うことを目標に殺人が起きそうになったこともある。


 そいつが弱かったこともあり、犯人は一瞬で捕まったようだ。そのことから、ユニーク武器を持っていても吹聴しないという暗黙の了解ができた。


 スキルブックでは、倒したモンスターが持っていたスキルを獲得できるケースが多い。昨日なんかもそうだ。倒しているときに大抵見られても気づかれることはなく、不信になり、周りを調べることしか行わない。だが昨日のゴブリンは見つかった。そのことからもユニークの可能性があったのかもしれない。


 モンスターの持っているスキルをドロップすると言ったが例外もある。それは、モンスター特有のものを手に入れることはできない。例えば尻尾術というスキルがいい例だろう。人間には尻尾が生えていない。そのため、ドロップすることがないようだ。


 暑い戦闘が起きることがなくそのまま、時間が過ぎ去り、家に帰った。

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