第36話

 次のゴブリンには足を切る。主にふくらはぎあたりだ。そのため力を入れることができず、動くことができないだろう。そのまま見ていたが、毒が回ってきたのか泡を吹き倒れた。今回は通常の毒だったようだ。だが、毎回ランダムで決まるのかも知れない。そのため次のゴブリンを探す。




 今度も足を切る。今回は浅かったので、ゆっくりだが近づいてくるのがわかる。だが、その次には動かなくなった。さらに前に進もうとしていたことから体重が前に乗っていた。そのこともあり前屈みに倒れた。今度は麻痺毒か。わからなくなってきた。




 念の為、別の一体を切りつけた。その途端、後ろに向かって走りだし木に向かって頭突きをし始めた。これは混乱か。本当にわからなくなってきた。毒の種類が多くなっている。さらに魔力量や切る位置もほぼ同じだ。なのに、毒の種類が異なる。




 まあ、一旦諦める。通常の毒を除きどちらもコボルトに対しては有効的だと思う。たとえば麻痺毒だが、動きがただでさえ速いのにこれが遅くなるだけで、安心して殺しに行くことができる。次に混乱だ。前回は次々に匂いを検知したコボルトがやってきた。今回はそんなヘマをするつもりはない。同士討ちをさせようかなと考えている。




 混乱状態ということは敵味方がわかっていない。そのため、近くにいるものを攻撃しているのかも知れない。これがダンジョン産武器が強いと言われている理由だ。こんな厄介な武器があるから、皆戦いたがらないのかと納得半分、倒せば儲けがすごいのかという欲望半分といった感じだ。




 というか二刀流を試すことをすっかりと忘れていることに気がついていない。毒を試すことで頭の中がいっぱいになっていた。そのためずっと気がつくことがなかったようだ。




 コボルトのための罠を設置した。その中心付近に立っているものに近づき足をきる。まだ、心臓付近を狙ってはいけない。心臓付近を切ったが生きており反撃されかけたことがあった。そのことから今は心臓を狙うのをやめている。




 さて、様子を見るとするか、サーチに引っかかったが結構遠いので安心して観察できる。普通に歩いてくるようだ。だが、足も切られたことが影響し、ゆっくりだ。さらにふらついているようだ。




「効果が薄い?」




 ゴブリンであればこのタイミングぐらいで倒れていた。だが、このコボルトは意識をまだかろうじて持っているようだ。たまにふらつきがあるので、もう限界だろう。後ろからも近づいてきている。そのため喉を掻っ切って殺した。




 次に来るのは3体ほどだが間隔が空いているのでとりあえず一体は確定で攻撃を入れることができる。その際に混乱でも引いてくれると楽になるのに・・・。

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