第902話

 暗黒騎士になった力を見せてもらおうか。そう思っていたが、特に変化がなかった。いつもの戦い方と同じだ。進化した方向が少し変わっているようだ。闇魔法が攻撃魔法というよりかはアシストよりに動くようになっている。


 普通なら魔法でしか使わないが、おそらく鎧の効果だろう。拳に黒いオーラを纏っている。エンチャントのような感じだと思っていいだろう。無理やり魔力を奪っている呪い装備のようなものなのか、電池のように常日頃から溜められているものを使っているのかはわからない。


 成長をしているのだからどっちでもいいだろう。魔力が伸びるのも、魔力切れを起きにくくするためだと考えれば自然だ。そして、攻撃時にはダークエンチャントの効果がかかっている。それだけではない。黒炎の効果も出ているようだ。闇魔法と火魔法を賢者まで上げることで手に入れることができるのだろう。


 こっちも進化しただけで強いものを手に入れている。普通にずるい。火魔法を手に入れていないことからこっちも変異のような存在になったのかもしれない。暗黒騎士の時点で、変異しているようなものだろう。順当に行っていれば、上級騎士とかその辺りになっていたはずだ。順当なレールからは、道を違えてしまったようだ。


 黒炎の効果は、持続する火を付与する効果だ。その火は魔法で消すか、時間経過で消えるのかの2択しかない。地面を転がって、土で消そうとしても消すことができないようだ。効果時間はおよそ10秒といったところだ。その間も殴り続けることができるのだから、効果時間が切れることはないだろう。


 ・・・魔法として使ってくれると大きな戦力になっていただろう。なんか勿体無い。だが、この魔法があることに気がつけたのは大きいことだ。風魔法があと1レベルが賢者になる。それももうすぐだろう。次は闇魔法でよさそうだ。


 闇があるのなら、光もあるだろう。悩むな。打ち消し合うのは良くないか・・・。俺も闇魔法を鍛えることにするか。騎士が新しく手に入れたのは、パッシブスキルぐらいだな。それ以外だと基礎ステータスが上がったぐらいだ。ステータスが上がるのはありがたいからな。次は軍師だ。


(騎士は火魔法と闇魔法をボール系とかそんな感じのものを一生使うことができない、という代償を得た代わりにこのスキルになっています。元々使わないから関係ないね。エンチャント専門のスキルみたいになっている感じです。進化の体の最適化みたいなものだと思っていてください。)

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