第903話
といっても召喚師と指揮を取ることの上位互換的な職業というだけだ。ステータスにプラス補正がかかる他に、知能にもかかっているように感じる。命令を出した時になんかは、気にせず全速全身だった。だが、外回りに移動をしたり、緩急をつけたりと知能というよりかは工夫を始めたと考えたほうがいいのかもしれない。
あと、いつも軍師が召喚していたモンスターの質も上がったのか?チーフから進化したことでその召喚獣も恩恵を受け、レベルアップまたは進化をしていたのだろう。ゴブリンランサーやソルジャーといった一番レベルが高いスキルが元になった進化をしている個体が多いようだ。
特に役割の変化もないため、そのまま使っているように感じる。だが、何体かを中心にレベルアップをしているような個体がいないため、ずば抜けて強いや、何か特徴があるといったモンスターはいない。個性が完全にない集団だった。その分連携力が高い。
過去に俺がしていた方法を取っている。その進化した個体が、進化前の個体に行動を指示するという形だ。その上に軍師が立つことで、命令に失敗が生まれていない。俺の場合は、職業ごとにわけ、トップが指示をするという形をとっていた。
そっちの方が命令の伝達が速くなり、全部の攻撃を持っていくことができたからだ。だが、チーフのやり方は違った。パーティーごとに魔法使いが何体、前衛や中衛が何体と人数を決め、その強い個体に指揮を取らせる方法に変えたようだ。
召喚魔法もそれに伴い変化している。グループ召喚ができるようになっているのだ。召喚をした時にそのセットになっているモンスターを一斉に召喚できるようになる仕組みだ。そうすることで、毎回指示をする人が変化しないようにしているのだろう。
進化をすれば、そいつがリーダー個体になって、別のパーティーに指揮を出す。このようにして強くなっていくつもりだろう。パーティーごとに指揮が違ってくるため、多くの敵がいる時には戦いやすい。だが、そのレベルが高い個体が死んだ時にその残りのやつをどうするのか?という話が出てくる。
近くにいるパーティーに合流することを選んだようだ。しっかりと問題を理解しているようで安心だ。大規模な殲滅ができるように組み立てたようだが、俺と4体で戦う時には邪魔になりそうだ。次の階層に行く時ぐらいだから、その時は問題はないのか・・・。弾除けや肉壁として使えばいいな。
パーティーごとの力関係が均一化されるため、圧倒的な力はないがアベレージの高い召喚獣になるだろう。ある一定のところまでレベル上げするのが一番だろう。もし無限にパーティーを増やしつつ、ずっとレベル上げをするとなるといつかは限界がやってくる。多くても10パーティーぐらいだろう。絞ってから強くしていく方が効率がいいはずだ。役割外のものがでてくれば、それを基準に別のパーティーを作る方が良さそうだ。
口を挟めば命令として捉えかねない。そうなると考えられた作戦が無駄になるだろう。・・・黙っていた方が良さそうだ。
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