第929話

 戦隊モノの分身体は3体だったのを一人吸収することでその試合は勝利した。どうやら魔法少女の方が強かったようだ。少しの休憩を挟み、破壊神との戦いになる。入学時に見てから全く戦ったことはなかったから、戦うのは初めてだなー。


 制限解除の影響か少し疲れているようだ。向こうのスタミナ配分を間違えたのが原因だから、そうなるのは当然だろう。若干有利な状況で戦闘が始まる。開始と同時に攻めてこない。時間稼ぎでクールタイムの回復か?


 ファイヤーボールの魔法を使ってくる。これぐらいの魔力であればジャックするのも可能だろう。まだ魔力精密操作のレベルが低いため、操作できる距離が短い。そこが少し不安だ。念の為シールドを展開することでそれを防いだ。作ってから一斉に放つのではなく、作ってすぐに放っているため対処も簡単になる。それよりも


「ファイヤーボールだけかよ」


 つまんな。毎回作られるのはファイヤーボールだけだ。ファイヤーランスを20本作り出した。そのうち5本は魔力をあまり込めていない偽物のようなものだ。ファイヤーボールと同じぐらいの魔力量が込められている。


 その5本を先頭に向かわせる。これで魔法をどれだけ使っているのかがわかってしまう。魔力探知を鍛えていれば、どれが偽物か判別することができるだろう。魔力を込め当たる面積を大きくしたファイヤーバレットを放つ。


 前の方にいる7本のファイヤーランスは壊れてしまったが、残っている13本のファイヤーランスの攻撃は止まらない。アースピラーを1つ作り出し、その根本に手榴弾をセットする。飛ばないようにシールドで根本を支え、起爆だ。


 アースピラーが爆発で折れ、傾き倒れる。剣を解放したようだ。それに魔力を纏わせ、全ての魔法を切り裂いた。それはできるんだ・・・。時間稼ぎが正解かな?


 目指すのは早期決着だ。後ろに飛んで行こうとしているアースピラーの切れ端を、剣の形に切り替え背後に落下させる。制限解除のようなものをした後の残りカスには用がない。終わりだな。次々と土剣が落下し、一斉に拘束を開始する。


 ピンポンパンポーン


 ここで新たなアナウンスだ。急なことで何も心当たりはない。あるとすれば、イベントか?11月になっているのだからイベントがあるのは当然だ。だが、突然すぎる。


「やあ、久しぶりだね。謹慎は長かったよ。今日は人類の進化の日だね。第一号おめでとう。人類は魔物と同様に進化ができるようになっているんだよ。その1人目が出たことで、情報が公開されたよー。じゃあ、そういうことで良きダンジョンライフをー」


 そうアナウンスが流れる。

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