第928話

 一応後輩の二刀流の人を応援することにするか・・・。その相手はどんな武器を使ってくるのだろうか?暗殺系か?物理系か?この2択だろう。やはり、あのバトロワが原因だ。魔法のみを使える人が全員落ちてしまっている。


 他の人の魔法の使い方というのがわからない。魔法の発想を得たいだけだ。それを見れば大体真似することができると思う。魔力操作の応用とか言われると途端に無理になってしまうが、魔法の応用とかなら簡単にできてしまう。


 新たな技を身につけたいところだ。二刀流の相手は、スライム金属だ。既にフルメイルの状態で出てきた。素顔を隠すためなのか防御力を上げるためなのかはわからないが、全身が凶器なのだから強いのだろう。フルプレートだが、使っている武器は片手剣だ。


 これで暗殺型だ。全て1色なことからこれもスライム金属だろう。全部が悪魔の下位互換だ。発想力やスライム金属を操る速度、密度、攻撃のスピード。全てが劣っている。タンク系を挟んでしまったのが原因だろう。


 おそらく、剣士と騎士を挟んだのか?体を覆っているものは鎧判定になっていることから、重さを感じないようにするために騎士は確実に通っているだろう。金属音を消すために、音減少系のスキルレベルも上げているだろう。


 こうなるのなら一点特化の方が強いな。ある程度職業を絞ってから、そこを強くする方が良さそうだ。経験値効率が悪いからこうなっているのだろう。もし、これで魔法も欲しいとなると、もっと悲惨なことになるだろう。


 前衛、中衛、後衛の全てのポジションにつくことができるが、本職には全て劣るというゴミが出来上がってしまう。最終的には強くなるはずだと言われても、今は弱い。そうなるのは結構歳を取ってからになるだろう。


 つまらないなー。控室のモニターを見ながらそう思った。フルプレートなため、戦闘が長引いているようだ。二刀流の攻撃が永遠と続き、何もすることができないようだ。ただ、そのフルプレートで守られているというだけだ。


 もうギブアップして帰ってきてこいと思ってしまう。長引きそうだから、スマホを見ながらのんびりと過ごす。最近のニュースでは、回復専門職といった戦闘位置での職業を決められていたパーティーが死んでしまったようだ。


 前衛が前に出過ぎたために、奇襲に遭い後衛は死んでしまった。回復職や高火力の魔法職がいなくなってしまったために、人数差で殲滅され死んでしまう。この事例が発生した。


 新しい考え方だ。と言われていたのが手のひら返しだ。特化はダメだろう、前衛の人はゴミだ。そんなことを言われている。前衛から敵を通り抜けさせたのならともかく、奇襲だからな・・・。避けようがないというのが感想だ。避けるとしてもシーフとかで敵の位置を把握するとかをしていればいいだろう。


 こうなるのなら、普通にオークナイトとかの戦術を真似すればいいと思ってしまう。オークナイトも同じようにポジションごとに職業が決められている。その人が真似をするのは探索者ではなく、魔物の方だった。もう死んでしまったのだから、どうすることもできないだろう。

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