第1038話
銃を撃つ授業も問題なかった。普通に飽きてくるよね・・・。属性をつけてもいいが、ただの動く的に撃つだけだ。集中力さえあれば簡単に授業が終わってしまう。ダーツみたいに当たった場所で得点が出るとかであれば、面白さからやる気が僅かに出てくるはずだ。
適当に何も考えずに銃を撃ち、その授業が終わっていく。的に穴を開けて簡単な絵を描いていた授業だが、とうとう何もやる気が起きなくなってしまった。100発100中とまでは行かないが、当たっても面白みがないからな・・・。
銃ゴブリンの方も、最初の頃は当たることで一喜一憂していたのだが、もう当てることが当たり前になってしまい喜びを感じなくなっているようだ。的を小さくするとかでも良さそうだな。いっそのこと、人形にくり抜いたやつを用意して欲しいわ。
頭を狙う練習にもなってちょうどいいはずだ。得点をつけることができれば、その点数の合計点や目標点数に近い方が勝ちと言った遊びをすることができる。楽しむための工夫が足りないというのは、こういうのを指しているのだろう。
と、授業が終わる。さっさと帰ろうとしていたところを隣にいた人に呼び止められる。
「すいません。あの子を束縛するのをやめてもらってもいいですか?」
「あの子って?」
大体の予想はついている。あの王子の元パーティーメンバーの1人だったはずだ。うっすらとあのグループにいたという記憶がある。リーダー(笑)の失神現場にもいたはずだ。未だ犯人は逃走中らしい。早く捕まることを願っている。
「あなたが洗脳していることは知っていますよ!」
何その真実はいつも1つみたいな決め台詞は。
「はいはい、仮に洗脳しているとしてどうやって洗脳したのか説明できる?」
「・・・」
無言だ。脳みそが空っぽのやつとこれ以上会話をしても無駄だ。
「それが答えじゃん。じゃあ、もう用はないよね。アクセサリー代わりが遠くに行って寂しかったのかな?」
手元に置いておきたかったのは自分がチヤホヤされるためだろう。ゴミ人間め。
「で?喧嘩売ってるってことであってる?」
後ろでスナイパーライフルを鞄の中から取り出そうとしている女にそう問いかける。帰る準備をしていたのだ。銃なんて鞄の中に片付けていることなんて確認済みだ。ガチャガチャと音を立てやがって、奇襲をするならもっと静かにしろよ・・・。背中にシールドを2枚出し、銃弾を防ぐ。別に2枚もいらなかったか。
「あー、あー。撃っちゃったね」
右奥には監視カメラが隠して設置されており、この現場でどんなことが起きたのかが分かりやすくなっている。良い言い方をすればこうだが悪い言い方であれば、信用されていないだ。事件が起きるのも大体ここになることが予想されている。
警報の音が鳴る。終了だ。先生が飛び出てくる。あとよろしくー。震えているその女を放置し、出口に向う。1発芸は1回すればもう十分だ。シールドをさらに近くに出現させ、放たれた弾丸の威力を殺す。跳弾に気をつけるために最初の1枚目は割れるようにし、威力を殺し2枚目で完全に地面に落下するように作る。
跳弾で怪我をさせたとすれば、変に言われることは確実だからな・・・。なんでこんなに精神が不安定なものが多いんだろうか。どうせダンジョンでの不満をぶつけられているとかそんな感じだろう。そんなのはどうでもいいけどな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます