第9話
武器屋だ。今回は短剣を買う予定だが、俺より大きい大剣を扱うのもいいと思っている。1撃必殺とかロマンの塊だろ。だが、日本には洞窟型のダンジョンが多い。そのためか、通常サイズの剣を使う人が多い。刀を使う人はいるにはいるが、使い慣れている人が使うぐらいだ。剣士の職業にはあまり適応されにくい。さらにアクティブスキルを縛られることになる。
そのためか、西洋剣を扱っている店が多い。だが、その材料は鉄だ。もちろん値段は高くなる。深い階層にいくとダンジョンでも鉄を取ることができるので、初めの方よりかは安くなっているようだ。レベルが上がっていくとレアメタルで作られた軽くて丈夫な装備が依頼され、それを作ることになるようだ。
今回の目的は短剣だ。普通の剣は買わない。サブウェポンとして使う。だが、店主も商人だ。絶対他の商品や高めの商品をおすすめしてくる。それに靡かないようにしなければ、今から無駄な出費は減らしておかないと・・・。
ダンジョンでは、特殊効果が付いている武器が落ちることがある。たまにラノベで、付与師によって属性やスキルが付与された剣があるとかなんとかあるが、そんなものは存在していない。せいぜい一瞬付与するといった感じだ。永続効果の武器はダンジョンで見つけるしか方法はない。
それを売るだけでも数十万はかたい。だが、それより高いのはスキルブックだ。これを手に入れるために手に入れた武器を使う。ダンジョン産の武器は品薄になることが多い。さらに属性武器もある。闇市で販売されることもある。だが、これは本物なのかわからないことが多い。さらには、呪いがかかっていることがある。昔それを知らずに買った人が死んだことがあった。そんなこともあり、大抵の人は普通の店で買うことにしている。鑑定を持っている人は別だ。その武器の耐久値、レアリティー、付いているものがわかる。
そのため、裏で買う人は鑑定持ちが手元にある人、掘り出し物を手に入れたい人かただのバカの3択になる。鑑定が手に入れば買いに行きたい。だが、裏ということもあり、治安はあまりいいとはいえない。対抗するには武力が必要だ。ある程度レベルを上げてからいくことになるだろう。今は関係がない話だ。
さて目当ての武器屋についた。武器を見るとするか。店員が何か見ているが無視でいいだろう。どうせ、商品の売り込みだろう。買うものは、武器と鞘のみだ。それ以外は買わない。
短剣コーナーに着いた。中には脇差しもあったが、これは使い慣れないなと感じる。持ってみたが、結構重く感じてしまった。
「ドスじゃん。」
見た目がドスだ。持ってみて鏡の前に立った。うん、側から見ればヤのつく職業の人に見えなくはない。なので通常の短剣を買おうと思う。だが、みたくなってしまうのはダンジョン産の武器だ。ふらーと気がつけば目の前まで来てしまった。目の前にある武器には、魔力を込めると刀身が炎を纏うようだ。これに刀があれば絶対にかっこいいという厨二心をくすぐられる。
だが、属性攻撃は基本的に合わない。護身用や暗器として使う。どちらかというと頑丈さや、ダメージ増加とかなら最高だ。何やら廃棄場のように固められたものがあるようだ。短剣にタグが付けられて効果も書かれている。だが、ここにダンジョン産の武器が何本か紛れ込んでいる。
相性が悪いとか、必要とするスキルを持っている人が少なすぎて在庫処理の方をしたいと考えているようだ。それはそうだ。品質が下がらないように、研ぐ必要がある。
「一回だけ探してみるか」
掘り出し物があるかもしれない。そんな期待を胸に短剣を探す。何本か見つけることができたが、必要とする職業で縛られているものしかなかった。一瞬だけ、底の方で金属特有の反射を見た。それが急に気になり出して、掘り起こす。短剣というよりかはダガーの形状だ。タグにはスキルで隠密系を持っている人と書かれていた。ドンピシャだ。
急所ダメージが増加するようだ。完璧!!。いい買い物したなと思いそれをレジへと持っていく。いい値段はしたのだが、これぐらいだとすぐ取り戻すことができると思う。
レジに持っていった時には驚かれたが、すぐ鞘を持ってきてくれた。そのまま、鞘に入れ家に帰った。
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