第700話
ついた足枷を退けるのを諦め、そのまま走ってくる。その足枷と、もう1方の足と当たり音を立てている。走りにくいのだろう、足に何もついていなかった時よりも遅い。時間稼ぎやスピードが乗った攻撃にあまり警戒をしなくて良くなったのは大きいな。
分身3体を使った魔法ができた。それを放った。アースウォールを迂回し近づいた時に、片手剣に切り替えていたケンタウロスが足枷がついているのを見つける。すると持っている武器を片手剣から弓絵と切り替え、矢を持ち構える。
そして、飛ばされてきている魔法に矢を放つ。気力で強化されている矢だ。1本程度ではこの魔法を壊すことなんてできないはずだ。そう確信している。そして当たる直前に分裂矢のアーツを発動させる。1つの魔法に対し、複製された矢がほぼ当たりその魔法を破壊する。
至近距離でショットガンを喰らったような感じだな・・・。遠距離であれば弾が散らばり威力が弱くなる。反対に近ければ近いほど当たる数が多くなるので威力は高まる。それをされたような感じだ。
ほんとよく成功させるよ・・・。失敗していればよかったのに。失敗していれば足が不自由になっているケンタウロスはほぼ即死か、動くことができない状態にまでなっていたはずだ。あれを真似するのであれば、近くにいる敵に抜刀で斬撃を飛ばすアーツを使うようなものだな・・・。
絶対にしたくないな。避けられたり失敗したりする時のことを考えると、一番安全な回避を選択していまいそうだな。だが、弓を放つことに集中していたため、後衛のケンタウロスの足が止まっている。地面をぎりぎり当たるか当たらないかのところで浮遊させ、地面を這うようにそのケンタウロスの方に向かわす。
弓で狙いを定めているのは、あの足についているトラバサミだ。弓が当たれば、壊すことはできるだろう。その後の威力がまだ残っている矢が、足に刺さるかどうかは置いておく。矢を放ち、飛んだ矢が当たったか確認する前に矢を装填し直す。
先ほど放った矢がトラバサミにあたり、解放できているのかを弓を構えながら確認をしている。結果は失敗だった。少し後ろに行き、掠る適度で終わってしまった。だが、微かながらヒビが入ってしまう。だが、これは誰も見ることができていない情報だ。擦りさえすれば、トラバサミは壊れるだろう。
弓を放とうとしたときに、地面を這っていたカースウウェポンが合流し、背後からその武器を突き出した。音を立てず、気づかれないように移動するために細心の注意を払っていた。そのため、動きがゆっくりになっており、1発目の攻撃に間に合うことができなかった。
本来の目的であれば、破壊さえれることを防ぐために1発目から妨害をすることができればよかった。まあ、破壊されなかったから悪いよりの普通ってところだな。2発目の妨害は成功した。痛みが急に襲ったことで矢を引き力を入れていた手から力が抜け、矢が飛ばされた。ケンタウロスが通り過ぎていった後にその矢が通り過ぎていく。
弓を持っているケンタウロスが周りを見渡す。その場はカースウウェポンに囲まれたことに今気がついたようだ。矢をすぐに構え、上に向かって放つ。アーツを発動し分裂矢を使ったようだ。自身に刺さらないように矢を放ち周りにいるものを殲滅しようとしていたのだろう。何体かやられることになったが、腹の下に入っているカースウウェポンが腹をさらに刺し、ダメージを与えていく。
トラバサミが破壊されずにやってくるケンタウロスの相手をするのは、地面に設置している魔法だ。
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