第1276話
その2日後のことだ。あの槍使い君のトレーニングの時間だ。一旦、今回で最後扱いになっている。戦い方の模索をして行こうの会だ。そして、今日ここにいるのは前回のメンバーにプラスして1人存在している。それは、鍛治師パイトスだった。鍛治師として動いているが視聴者が減っていき、スランプに陥ったようだ。そのスランプを打破するために、これに参加したようだ。
それは、当日になってから伝えられるのだった。簡単な手合わせをするだけのことだ。いつも通り配信が始まる。辞めたり、謹慎処分を受けている人を除くと、同期全員が揃ったことになるだろう。適当に挨拶を済ませた。
「そういえば、格闘術ってどれくらいできるの?」
「アーツとかですか?」
「発勁とかの吹き飛ばす技は?」
「できますよー」
出していた的を5mほど吹き飛ばす。発勁の基本はできる。
「内部破壊とかは?」
「内部破壊ですか?見本をお願いします」
「手を当ててー」
木に気力を流し込み、外に向かうようにして動かした。木の幹が破裂するように裂けるのだった。
「こんな感じ」
「できれば最強ですね」
「ああ、だが少しでも防御されると無効化されるから注意がいるぞ」
「油断している相手とかになら聞くだろうけど、普通に戦っている相手なら発勁で体を飛ばす方が賢いかな?」
「じゃあ、戦闘練習をお願いします」
そう言いながら俺を見てくるのだった。
「近接戦闘は苦手なんだけどな・・・」
「今日はよろしくお願いします。ね!」
「はー、そういえばスキルはあり?なし?」
「今回はなしです。お願いします」
婆娑羅にストップウォッチと銃を渡す。そして、あらかじめ決めていた定位置に移動するのだった。定位置に着いた瞬間、銃が鳴らされる。銃は上に向いているが視線は横にいるパイトスと話しているのだった。なんとなくで銃を鳴らしやがったようだ。せめて確認くらいはしろよ・・・。
奇襲をするように準備をしていたのか、その銃声に相手は反応する。近づいてくる相手に、すり足で少し近づく。殴ろうとしてくるのだった。その腕が伸び切る前に手首を内側に向けて叩く。関節に従い、肘で曲がり攻撃が不発になるのだった。だが、それも計算されていたのか、肘打ち(エルボ)での攻撃だ。左腕で受け止め、右手で支えることでその攻撃を受け止める。
その左肘を押し込もうと力を入れてくる。それに対抗するために左腕に力を入れるのだった。だが、上から押さえつけられるため、動きにくい。そのため、右手も使い左腕を支えるふりをする。体の体勢を低くし、肘の攻撃が後ろに行くように避ける。そして足払いだ。
ふくらはぎ辺りを蹴りとばした。急に体勢を変えての攻撃だ。体重が乗っているわけもなく、少し飛ばされるだけで受けられるのだった。その蹴った時の勢いを利用して元の体勢に戻る。そのバランスを崩している相手に追撃を仕掛けようと動き出す。向こうもカウンターとして怪我をした方の足を後ろにし、合わせて殴ろうとするのだった。その突き出される腕をよけ、その次出された腕の手首を掴み引っ張る。
踏ん張りが効かず、元からバランスを崩していた体だ。腕ごと体が前の方に引っ張られ胴がガラ空きになる。そこに膝蹴りを寸止めすることで終わりだ。ここに奇襲が入るとか厄介極まりだろう。
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