第991話
23階層のサハギンの場合は、攻撃を半身で避け剣で切り伏せることをしている。サハギンは水中から奇襲をすることで現れる。基本的に先制攻撃は向こうからのスタートだ。そのため、気がついても水中に攻撃を届けることはできない。
モグラ叩きの要領で出てくる瞬間に背後にまわり頭をかち割る必要がある。まあ、これも無理だろう。そして、サハギンの得意な魔法は水だ。光魔法の相性は最悪だ。魔法には魔法で対応し、距離が空いている間は、斬撃で近付いてくるものに対応するという戦い方だった。
光属性がついた斬撃は、水魔法で方向が変わることはなかった。何か効果がついていると、そこに加算されるような感じだろうか?そして、やってくるのは魔力切れだ。仕方ないな・・・。ぐったりとしている王子に魔力回復量が上がる杖を持たせ、シールドの上に乗せる。
そのまま次の階層に移動した。そこで昼ごはんも兼ねて休憩をし、ある程度魔力が回復したのか戦闘を再開する。サハギンの殺し方は近づいて殴ることに決まったようだ。そして、肝心のシールドタートルだ。弱点に気がつくことができるのか?
奇襲を仕掛けようにも光魔法はシールドで防がれてしまう。スピードが速い分、向きを帰ることが難しいようだ。あらかじめ曲がる箇所を決めていればいいが魔法を見てから曲げる選択をしているため、シールドにぶつかって無効化される。
近づいて殴ろうにも、甲羅の中に入って攻撃をすることができない。ということでギブアップだ。試行錯誤が必要だな・・・。
「どうすればいいですか?」
「ヒント、なぜこいつは魔法を防いでくる?」
「攻撃をされたくないから?」
「それもそうだけど、それなら逃げればいいでしょ。なんでシールドを出すように進化したかの方だよ?」
「魔法が弱点だから?」
「正解。甲羅に入っているから、物理防御が高いでしょ?けど、魔法防御が低い魔物が進化した姿がこうなっているんじゃないかな?って思ってるよ。魔法は防がれる。殺すにはどうすればいいと思う?」
「攻撃後に即魔法を撃つ?」
「それは防がれるよ」
「なら同時?」
「やってみようか」
正解と言っているようなものだ。もうわかっているだろう。エンチャントをすれば行ける。そう判断できたはずだ。だが、出した答えはライトボールを作り出し、攻撃と同時にぶつける方法だ。
「ダメでした!」
「当たり前よ・・・。同時って答えが出ていて、なんでそっちが答えになるかな?」
「スピードが足りなかったから?」
「エンチャントすればすぐだよ・・・」
ライトエンチャントを持っている剣にかけ、2つに切る。
「できました!」
「この階層は、そのエンチャントがあれば通り抜けれるからね」
「いないならどうすればいいんですかね?」
「普通にスルーかな?攻撃しなければ攻撃されないからね」
「ここで戦闘した意味はなかった?」
「頭を柔軟にするためのものって考えていればいいかな?ドロップは少し美味しめだから、殺すのはありかな」
シールド付きの指輪が1番いいドロップだろう。あれが手に入れば、ソロでもある程度安心することができる。何がドロップとして落ちるのかを確認すれば、情報を手に入れることができるだろう。殺し方も理解したようだから、次の階層に行こうか。今日の目標は、25階層のボスを倒してポータルを解放することだ。
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