第990話
ということで日曜日になった。状態異常の対策をしているのだろうか?本人は20階層までしか行ったことがないと言っていた。なら21階層以降のことを知らなくても、仕方がないだろう。まあ調べてくるのが基本だし、本人がなんとかするか。
ささーっと30階層まで行きたいところかな?25以降から、何かしらのステータスに特化しているものが多くなる。そこなら弱点を知る機会になるだろう。弱点を知ってから、どの階層ならソロでいけるのかの確認をしてから放置ってことになりそうだな。そして、21階層にやってきた。
「はい!そこのメガネー!この21階層の特徴を答えろー!」
なぜかガラスが渦巻き状になっているガリ勉メガネをかけてきた王子にそう問いかける。
「はい!状態異常を使ってきます」
「なら、その対策は?」
「使われる前にぶっ殺す」
「oh・・・」
言葉が出ないとはこのことだな・・・。というか脳筋すぎる。それよりもツッコミどころが多いわ。
「ボケはこの辺りにして、なんでそのメガネ?」
「なんか、イベントの時のドロップで状態異常を軽減してくれるメガネらしいです」
「対策してるのならいいや」
「似合ってますか?」
「んじゃー、戦ってみますか。準備はできてる?というか作戦は」
「使われる前に殺すです」
「ふんわりとしすぎだから、・・・もう少し細かい作戦よ」
「光魔法で滅多撃ち?」
「そうそう、そんな感じ」
そんな感じとは言っているが、その作戦がいい作戦だとは言っていない。どちらかというとダメな作戦だろう。魔力消費が多すぎることが欠点だ。魔力消費を抑えるために、魔法以外にも殴ることが必要になる。魔力切れも早いだろうな・・・。
魔力を使わせられる系の魔物に弱いのだろう。ライトジャベリンを最初に見つけたエスケープゴートに放つ。昨日と同じスピード特化だが、今日はジャベリンを使用しているようだ。突き刺さり貫通していく。その時に穴が空いているため、その威力の大きさがよくわかる。
その分耐久力は低いのだから、破壊したり逸らしたりすることは簡単だろう。けど厄介なのは変わりないな・・・。脳筋なところから、フェイクとして出した見た目だけの魔法にもこれを使ってくるだろう。最終的な目標は魔法使い殺しかな?放つために空中に準備した魔法を即座に打ち壊すタイプの魔法使いだ。
そっち系に進化しそうだ。エスケープゴートの方は貫通時に威力を逃すことができず、どんどん転がっていく。死は確定したようなものだな。奇襲に特化しすぎて怖いよ・・・。スナイパーライフルの弾は、光魔法にしておこうかな?一定の速度までしか出ないのだから、魔法だけが使える強みってところだな。
「うん、有言実行できてすごいよ。今日は弱点を見つけるためだから、どんどん進んでいこうか」
次の敵はガードシープだ。と言っても基本4属性の魔法を使ってくるものが多く。光属性や闇属性への耐性を持っているものが少ない。圧倒的ではないが有利な感じだな。ガードシープの特徴って知っているのだろうか?
「ガードシープの特徴って知ってる?」
「次の階層のモンスターですね。防御力が高いことです」
こいつ、絶対名前で判断したな。
「使ってくる魔法が弱点になっている属性の耐性が高いことだよ」
「闇魔法を使う個体が出るとほぼ詰みになる?」
「一応物理攻撃は効くから、そっちで攻めることになるよ」
「よかったー」
魔法を使ってくるのにプラスして光魔法が使えない可能性が出てくると心配するよね。満足するまで、そのガードシープを狩ってもらう。2時間が経過した頃だ。ずっと狩っているな・・・。おそらく闇属性の個体が、どれくらいの防御力があるのかを確認するためだろう。そして、俺の方に振り返る。
「まさか、闇属性の個体がいない?」
「惜しい、少ないって感じだね」
よく気がついたね。これで満足したのか、次の階層に進んでいく。一応状態異常は使われないのだから、あのメガネはいつになったら外すのだろうか。
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