第989話

 昼下がりのことだった。


「闇魔法がレベルマックスになったので、光魔術に行きます!」

「お、おう」


 それぐらいしか返す言葉がない。自分で決めることと言っていたのだから、そうなるのは当然だ。


「聖魔法って出てないの?」

「出ていますね・・・。あれが何かわからないので放置しています」

「あれ回復魔法だよ?」


「・・・もっと先に言ってくださいよー!」

「聞かれてなかったから言わなかっただけだよ」


「あと、召喚獣ってどんなのが欲しいの?前衛、後衛、中衛のどこに置くのかとか、素早さや防御力とか力のどれに特化しているかとか」

「決まってませんよ」


「決めてから強化しなよ。人と同じように召喚獣にも個性があるからね。最初に持っているスキルから選んでもいいし、性格面から戦闘ポジションを変えてもいいって感じだね」


 王子の苦手な部分って何があるのだろうか?全員が魔法なタイプとかは苦手だろう。近づく前に集中砲火を喰らってしまう。それを理解しているから魔法を鍛えているはずだ。それ以外の部分だ。スピードタイプや防御タイプなら、スピードの方が相性が悪いだろう。特に弱点という弱点は見受けられない。という結論が出た。


 そのタイプとの戦闘をするところを見れていないのが大きいかな?多種多様なモンスターがいるため、その確認を明日しようかな?そんな計画を立てた。光魔術師になったのだから、レベルマックスは40だ。結構な時間がかかるな・・・。ソロでやって5〜7日換算だ。階層次第ではこれが前後する。


 最後の1戦をリッチがいる階層で行い、土曜日のダンジョンが終わった。自分の思うように動かないのは少しもどかしいかな?やはり俺にパーティーとかで動くのは合わないな・・・。ドロップの金額を2:1に分け、1の部分を貰い残りを渡す。何もしていないのだから報酬を減らして当然だ。


「明日は、他の階層に行ってみよう!いろんな魔物と戦うことで自分の弱点を見つけることが目標になるよ」

「はい!」


 そして、解散となった。面と向かって質問するときに本当に聞いてもいいのかと不安になっているのかもしれない。念の為、気軽に質問していいよ。とメールを打っておいた。


 12月末までにどこまで化けるのかが楽しみだ。武器だけを見るなら10階層の大蛇を倒せるかどうかだ。魔法は8階層のアンデットだ。そのどちらも組み合わせることができれば、15階層のオークにすら勝つことができるようになる。


 意思疎通ができるパーティーならもっとレベルが低くても上に行くことはできるだろう。光魔法のスキルレベルが10になってもうすぐ魔術になるはずだ。あと1ヶ月もあると考えると魔法を本気ですれば15階層までいくことができるはずだ。

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