第1062話

 ナイト個体の処理は終わった。マジックバッグから杭を取り出し、パイルバンカーにセットする。まだ残っているライトジャベリンに魔力を込め、爆発を付与した。それを王子が狙っているオークの方に放つ。横からの攻撃だ。


 持っている盾も、王子からの攻撃を防ぐために使われている。守るものがない状態だ。足に突き刺さる。全く弧を描かずに放ったため、貫通しボス部屋の壁まで飛んでいき爆発が起きる。もう少し角度をつけていれば即死だっただろうな・・・。足がなくなったのだから、動くこともできない。


 わざわざパイルバンカーをセットしたけど意味がなかったな・・・。杭とパイルバンカーを別々でマジックバッグの中に入れる。1体1なら騎士が負けるわけないからなー。オークナイトとの戦いは終わった。ドロップは魔石だけだったが、まあよかっただろう。王子に回復魔法をかけ、完全復活とげる。


「鎧大丈夫そう?」

「自動修復がついているので大丈夫ですよ?」


「ならよかった。魔法はどうだった?」

「扱いずらいって感じですね。爆発の威力や耐久力を操作できる範囲が限られる感じです」


 大体理解できた。簡単に説明すると、本来の魔力の量だとスピードとかに振ることができるものが10あるとする。それを2人で補ったことで操作できる数値が個人個人に分かれてしまうため、減ってしまったとかそんな感じだろう。


「魔力を混ぜたの?」

「そうです!それでやっとフルで発揮した時の70%ほどの力ですね。所有権とかを持っているともっと力が出ないと思います。それが2人以上でする時の威力減少になっていると思います」


「ふーん。結局、自分だけでする方と手伝ってもらう方どっちがいいの?」

「信頼度次第ですけど、自分でする方ですね。成功する可能性を考えるとそうなります。あと師匠みたいな一撃必殺とかは無理ですね」


「時間的に大丈夫そう?後何回くらい行けそう?」

 騎士を戻しながらそう問いかける。


「まだまだ時間はありますね。師匠とのパーティー戦闘をしたいです!」

「パーティー戦闘ね・・・。俺、初心者だけど大丈夫そう?」

「大丈夫です。しっかりと作戦会議しましょう!!」


 順番が回ってくる待ち時間の間に作戦会議が始まった。そして、ボス部屋に入るときには、その作戦会議が終わっている。決まった作戦は多くあった。王子の役割は、タンクと物理アタッカーだ。そして、俺は魔法使いと物理アタッカーという役割になった。


 ボス部屋に入ると当時にその作戦は始まる。まずはライトジャベリンを合計15本ほど用意する。俺が10本だ。それをオークナイトの足元を狙いながら放ち、地面にぶつけ爆発をさせる。これで目眩しができた。その隙に王子が左回り、俺が隠密を発動しながら右回りに近づいていく。その前に分身体を2体作り出し、1体はオークナイトの方に向かう者とその場で曲射で後衛を狙う役割の魔法専門の分身体を配置する。


 その煙の中にいたオーク1体が出てくる。そして、向かってくる分身体を切りつけ破壊する。手応えの無さに偽物だとわかったのだろう。次のターゲットは、魔法を使ってくる個体になった。後衛のオークは、その降り注ぐ魔法を防ぐことで精一杯だ。


 王子が魔法使いの視界に入ることができるようになった。魔法を使う分身体の攻撃対象を近接武器を持ったオークに切り替える。オークナイトは中衛に立ち、殺すためにどんどん前に進んでいる。

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