第777話

 魔法の授業のテストも始まった。理由がわからないなー。しっかりと1人1人の採点をするためだろうか?その方が可能性としては高い。それとも徴兵令が確実なものになったのか?こっちの方があり得ないことだ。徴兵が起きれば、SNSでもトレンドとかそんな感じのものが出てくるはずだ。


 訓練という名目での徴兵か?それなら、わかりやすいダンジョンの大学をターゲットにするのは当然だ。分からんなー。採点するための方に賭けるか。外れたらドンマイってことで。


 地獄の魔法の授業が始まる。急遽採点用のテストをするようだ。昨日のうちに連絡が入っていたのだからサボろうにもサボる事ができない状況になってしまう。まず、最初に行ったのはソロで挑んでいる人たちだ。もちろん、その中に俺も入っている。


 的として出されているのは高さは2mぐらいの高台の上に立ち、頭は完全に障害物で封鎖されているところだ。狙うのはその体か、急に方向を変え頭を狙うのかのどちらかだ。挑戦できる回数は3回、時間が余れば再挑戦可能だ。時間が余ると言っても全ての採点が終わったあとだろう。


 ほとんど時間がないと言っているようなものだ。ダーツのように得点は書かれていないが、狙うべきところは赤くなっている。余裕だな・・・。もちろん、高得点を狙うために方向を変え、頭に当ててそのテストは終わる。


 動く的の方が当てにくい。的当てゲームに躍起になってする方がおかしいな。個人でしている人が終わった。もちろんあまり成長をしていない人もいるが、端に当たっているため合格点はあるだろう。そしてグループのテストが始まる。


 スタートは少ないグループからだった。最初にするのはそのグループの中で一番上手い人からだ。そしてレベルが下がっていくように動き、最終的には一番下手な人がするような順番の仕方だった。不合格にするためにわざとその順番にしているのか?と思ってしまうほどだ。


 失敗すれば一緒にした人の単位がなくなってしまうと考えると不安や心配といった感情になってしまう。緊張いているため、腕と脚が同時に出ている歩き方になってしまっている。そんな緊張とは裏腹にしっかりと的に当て安堵をしながら、仲間のもとに戻っていく。


 帰りは足取りが軽く、向こう側も歓迎ムードだ。失敗すると考えると心臓が潰れてしまいそうな緊張感だな。グループワークをしていた1つの班がその方法で行ったことにより、順番が決定してしまった。下手な人が強制的に最後になる事が決まった。


 かわいそうだなと思いながら、見守る。一番最初に行っていたグループの人数は4人だ。そのうち下手な人は1人だった。そして次のグループは5人に増え、下手な人が2人だ。しかも片方の人は、サボっていた人と会話をしながら魔法を使っていた人だ。


 4人目まではクリアできた。そして最後の1人が成功すれば単位は確定になる。そんな時だった。自信満々でその場所にのぼり魔法を打つ。的の手前に落ち失敗する。そして2発目は右上を通過していく。最後の1発だ。初めから集中して打っていれば良いものの、遊び半分で当たるだろうと適当に打っていた事が原因だ。無駄にすると思うのなら最初から本気でしろよ・・・。


 プレッシャーに押し負けないように深呼吸をしながら、魔法を放つ。その結果は・・・障害物に当たり貫通して的に当たるという結果だった。属しているグループからは、なんとも言えない空気が漂っている。


 全て外すよりは、的に当てたのでまだよかった。ただ、障害物に当てたことによりどれほどマイナスが入ってしまうのかが怖いな・・・。最初の時よりは成長しているのだろう。ホッと肩から力が抜けていることから成長はしていたのだろう。


 残りのグループがあの大きいグループだけだ。勧誘に勧誘を重ね、採取的には受講者の2/3の人が参加をしてしまった。失敗すると多くの人に睨まれてしまう。まあ、そんなプレッシャーの中頑張れ。


 今回の授業中も失敗しろと言っていた性格の悪い人が何人かいた。あれはどうやら仲間を作りたい人のようだ。グループに属している人は落単するのは確実だな。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る