第86話
残りあと2体・・・。片方は傷を負っていて、もう一方は元気な上位個体だ。とりあえす、切るために突っ込む。傷を負っている方を切りに行ったのだが、リーダーの方からの妨害があった。仕方なしにこっちの方を片付けようと刀を振るう。だが、刀を白刃取りで受け止められてしまった。そのまま、押し込もうとするが、動かない。硬直状態をときたいので、一旦距離を空けたいところだ。
そのため、回し蹴りを放つ。吸い込まれるように横腹に当たり、飛ばされていく。だが、飛ばされている際に、地面に爪を立てることであまり飛ばず、そのまま戦闘が継続する。今のうちに怪我を負っているやつは始末できた。残りはリーダー個体のみとの戦闘だ。
この近くにリポップしていないので今倒すことができれば、このままスタミナを切らすことなく、戦闘を終わらすことができる。そのため、早く戦闘を終われせたい。だが、なかなか終わらないのが今の状態だ。爪での攻撃を刀で受け流すことで被害を最小限にしつつ戦闘を続けている。だが、全く被害がないというわけではない。腕への攻撃はガントレットが受けているので怪我には至っていない。だが、守れていない箇所への傷が多くなってきている。
やはり、素早さを上げてこなかったことへの弊害がここで出てきてしまったようだ。ガキッと爪と刀を空中で打ち合わせても、威力を外に流されてしまい、決定打にならない。そのためジリ貧の戦いが続いている。今も成長しているのは向こう側だ。そのため、このまま戦いが続くと俺が負けてしまう。と言っても魔法を解放させなければの話だが。今もなお高速再生が働いており、その傷を治していっている。
「仕方ない・・・。」
傷を負うこと覚悟で上段で構えをとる。この場合だと、大きさが小さいコボルトの攻撃がモロに腹に入ってしまう。それまでに下ろすことができれば俺の勝ち、下ろすことができなかったら、戦闘続行のどちらかだ。そのため、あまり戦闘で使わない方がいいと言われていた。
その構えのまま、振り下ろす。予想通りフェイクだったわけだが、それは俺も予想ができていた。怪我をしたくないので、フェイク以外であれば使う予定ではなかったが、
「アースジャベリン」
こちらも魔法で応戦しよう。地面から放たれたそれに体ごと貫かれ、それは絶滅した。完全勝利まではいかないが、十分に満足のいく戦闘だった。あとは戦闘に慣れていくだけだ。殺すチャンスは何度かあったが、そのチャンスを捨てているようでは成長にならない。そのため反省をしている。
がその途中で、ドロップが判明した。スキルブックだ。狙っていた魔法防御ではなく素早さ上昇だったことは残念だった。だがそれよりも嬉しさが出てきた。
ラッキー。そう心の中で呟いてしまった。早速それを使い、またコボルト探しを始めた。
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