第674話
5月に突入した。お茶イベントは抹茶を集めるのと、トレントを周回することで抹茶をたてる道具を集めるか、15階層のオークを倒すことで抹茶を集めるかのどちらかだ。ダンジョンの情報を見ていると、このオークの時に、抹茶だけではなくコーヒーを落とす紳士なオークも現れたそうだ。ここは確率だったようだ。
抹茶は飲んでいないのでわからないが、コーヒーは飲み慣れたものよりも美味しいと感じてしまう。だが、1杯で満足できるほど、そのコーヒーは美味しかった。エグ味や酸味も少なく。どちらも引き立て合うこともしない。だが、コーヒーの風味がより際立って感じる。そんなものだった。
酸味やえぐみが好きな人にとっては飲み慣れた方がいいのだろう。俺はこっちの方が好きだな。さて平日になったが、ゴールデンウィークだ。と言っても、土日を挟んでおり4連休なだけだ。そこまでは大学に行かないといけない。水曜まで行けば4連休・・・。一週間全部休みにして欲しかった・・・。
まずは、錬金の授業だ。今回渡されたのはオークの素材だ。オークの牙(犬歯)だ。その前に試したいことがあった。それは魔石を錬金するとどうなるのかという実験だ。結果は、粉になった。魔石ということもあり、元から魔力を帯び、吸収する性質を持っている。
いわば乾電池のような存在だ。魔力を通すとその粉末が光り、一瞬で消える。大きい魔石と比べると大きい方が長く光る。だが、光りだすまでは粉のほうが早いな。蓄える能力が消えた代わりに反応速度が上がった感じだな。
・・・これから何をしようかな。何かに使えると思っていたのだが、ただの魔石の方が都合がよかった。何かの役に立つかもしれないから、試験管の中に入れて飛ばないように蓋をした。というか、魔力回復薬ってこれが材料とか?
魔力を回復するには魔力を取り込むしか方法はない。魔力を蓄える性質のあるものを飲み込むことで消化やある一定のところまでいくと吸収される。そんな仕組みがあるのかもしれない。その吸収された魔力が反映されて、魔力回復になる。
試してみるか。というか魔力回復薬の作り方・・・、回復薬と同じで試してみるか。まずは回復薬と魔石の粉を置き換える作業をしてから、回復薬と魔石どちらも入れる作業をする。その比較からだな。
粉だから何とかなるよな・・・。鍋に入れ、少しかき混ぜ蓋をした。そして魔力を込めたのだが、その時に持っていかれる魔力の量がいつもよりも多かった。そして完成したものがこれだ。魔力回復薬・(小)だ。魔石が混ざったことでその色は毒の液体を見ているかのような鮮やかな色合いだ。
回復の効果は魔力を4回復するというものだった。んー、これは小だな。魔力消費のスキルなしでのファイヤーボールを1発打てるかどうかといったところだな。注意書きで書かれているのは、魔力が回復し、元の魔力量を超えると暴走します。だそうだ。魔力過多による弊害が制御負荷の暴走だろう。
言い換えれば自身の体の爆散だ。これを飲ませて魔力を与えると、モンスターの強化と魔力過多による爆死でドロップがウハウハになる!?そんな可能性を見出したのだが、味は酷そうだ・・・。石でできているのだからそれはそうだろうな・・・。
予測が正しければ飲まなければ効果が発揮されない。だが、飲む前に吐き出されるとその効果は無くなるだろう。大人しくモンスターが飲むと思うか?吐き出されるだろうな。鼻を摘んで呼吸ができない状態になれば、飲んでくれる(飲ますことができる)と思う。
魔石飲みだとこれだった。なら魔石と回復薬ならもっと効果は低い可能性が高そうだな・・・
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