第1123話

 ファイヤーランスで地面を燃やした。その火の中から出てきたことで、体を構築している白い糸がキラキラと反射している。それは体だけではなく、上の方にも数本の糸が垂れているようだ。上から糸を垂らして操り人形のようにして動かしているみたいだ。


 薙刀の動かし方は、ロボと同じような行動方法だった。だが、急遽作られたもののため、動きがぎこちない。ワンテンポ遅い感じだ。とりあえず、糸を切れば良さそうだ。ウィンドランスを作り出し、その意図を狙って放つ。


 ・・・切れてしまった。それと同時にボスの部屋の出口も現れる。


「なんだったんだあれ・・・」


 ドロップは蜘蛛の糸だった。あの魔物が蜘蛛系列の魔物だと分かったのは大きい。そして、その糸の能力は、火魔法の無効化と物理攻撃耐性だ。運が良く風魔法が効くタイプのものだったようだ。風魔法しか効かないのだから、どのみちこの答えにはいつかは辿り着いていたか。


 ということは、あの機械を壊していれば、機械パーツを手に入れてサイボーグを作ることだってできるはずだ。うわ、殺しておけばよかった・・・。今度から即殺しにいこ・・・。蜘蛛の糸の他に、和三盆が入っていた。効果付きの食品だったようだ。


 その効果は魔力回復量+10%の効果だった。その効果は1時間続くらしい。・・・大きいな。杖でつけている効果でさえ?5%程度だ。これが時間制限がつくだけで10%にまで跳ね上がることになる。・・・神回復アイテムかよ。


 美味しゅうございました。さらに周回をしていたが、敵として現れるのは普通の肉体がついた武士ばかりだった。あのサイボーグは100%レアボスだったようだ。・・・どら焼きにもなか、栗饅頭、もみじ饅頭といろんなものを集めることができた。


 経験値も美味しかったし、ここで周回しても良さそうだな・・・。この階層にくると入っている何も装飾がされていないい人形を思い出してしまう。そろそろあっちも強化しないとな・・・。するつもりなのはメイドと執事かな?


 バーサーカー系メイドと、サイコ趣味の老執事。うん、いい感じになりそうだな。その人形の見た目を完成させ、・・・少し気に入らなかったのでリセットした。こういうのは親にやってもらおうかな?絶対そっちの方がセンスはあるだろう・・・。


 美的センス。それさえ良ければなんとかなっただろうに・・・。もなかを食べながら順番を待つ。このサクッとした表面の中に、しっとりとし存在感を表す餡これがいい。味わっているといつの間にか、もなかは無くなってしまった。


 こう和菓子を食べていると、出来立ての抹茶が飲みたいな・・・。そう思いながら、コーヒーを飲む。今回は武器は落ちず、和菓子と魔石という組み合わせが多かった。何個か効果がついていない兜がドロップした。効果がついていないのなら特に必要はないと考え、1個を残し売却に出した。その買取待ちだった。

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