第912話

 月曜になった。高校生とかがいなくなったため、5階層の周回をやっているのは大学生やパツ金の男性、主婦といった層が行っている。待っている人数は昨日の半分以下のような気がする。その分周回がしやすいため問題はない。


 午前中ずっと周回をしていたが、ドロップは肉や魔石、武器といったものしかドロップしない。ハルバートとか使わないのにドロップしてしまった。効果は耐久値上昇だけなので正直いらない。ゴミを手に入れたが、金属なので溶かせば俺が武器を打つときに使うことができるだろう。


 もういらない武器は溶かしてしまえ。溶かして作り替えた方が安く済む。武器としての品質は落ちてしまうかもしれないが、ここは仕方がないことだ。


 14時ぐらいのことだ。ボス部屋に入っていくといつものフィールドとは違っている。夏祭りでもあったような神社の構造だ。道の横には鳥居の柱のようなものが立てっている。その下の方の内部には灯りが入っており、地面を照らしている。


 神を祀っているのか・・・。ボス部屋ということもあり、雑魚モンスターが湧かないため静かな空間だ。ここにボスがいるのか。ボスは般若面を被ったオークだ。おそらく鬼のような存在だろう。てことはステータスが上昇していたり、特殊スキルを持っていたりするはず・・・。武器は金属の棘付き金棒だ。


 余裕を持って殺すためにファイヤーランスを放ったが、一瞬で殺してしまった。おそらく神無月のネタかな?神がどこかの県に集まるため、妖(あやかし)や悪いものが入ってくる。そんな感じのネタだろう。


 茂みが揺れ、そこから同じように般若面をつけたゴブリンが現れる。そして、倒れているオークにぶつかり吸収されていく。これこそ妖だな。第2形態だ。デブかった脂肪はそのままだが、そこから般若のお面をつけたゴブリンの顔が現れている。目が爛々と光っており、暗闇を少し明るく染める。


 そして、一瞬だけ明るく激しく光る。レーザービームだ。どちらかというと目からビームの方が近いか。念の為横に避けて正解だった。全ての目からレーザービームが放たれ、俺がいた場所を通り過ぎていく。良いなー、レーザービーム。


 本体の首を切れば良いだろう。あと妖なのだから悪いものだ。なら、光魔法が効くはずだ。刀にホーリーエンチャントをかける。お面がついているのはあの腹だけだろう。背中についていれば、レーザーの時とかに全面攻撃で回転するとかできたはずだ。あとこの階層は5階層だ。そんな大掛かりな攻撃なんてできないはずだ。


 レーザービームを避けながら、オークの頭を飛ばす。だが、切り飛ばしたと思いきや黒色の液体が頭と首から伸び、繋がり引き寄せることで完全復活だ。数回殺す必要があるタイプか、ギミック、不死のため時間経過のどちらかだな。


 念の為後ろに下がった時だった。全ての般若面の口が開き、そこから液体がこぼれ落ちる。月明かりでも色を示さないため黒色だろう。そのどろどろとした液体は、ゴブリンに形を変える。汚いため即焼却だ。


 一斉殲滅で終了した。どうやら1回死ぬことで行動パターンが変わるボスのようだ。般若面のうち、1つの目から光がなくなったような気がする。目の数とか数えていなかったため、それが本当に減ったかどうかはわからない。

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